浦和とシャペコエンセが来夏、日本で対戦か?

2016年12月05日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

南米とルヴァンカップ王者による「スルガ銀行チャンピオンシップ」を毎年夏に開催。シャペコエンセの優勝確定で――。

Jリーグ・チャンピオンシップ決勝第2戦の試合前、黙祷を捧げる浦和の選手たち。来夏、浦和対シャペコエンセの一戦が実現するかもしれない。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 コロンビアでの飛行機墜落事故により主力選手の大半が亡くなったブラジルのクラブチーム、シャペコエンセと浦和レッズが来夏、日本で対戦する可能性が浮上した。
 
 日本で開催されてきた「スルガ銀行チャンピオンシップ」は、南米と日本のカップ戦王者が対戦する親善大会として、2008年から毎年夏に開催されてきた。その出場の対象が、コパ・スダメリカーナとルヴァンカップ(旧ナビスコカップ)のカップウィナーだった。

 南米サッカー連盟はこのほど、シャペコエンセとコロンビアのアトレティコ・ナシオナルの間で争われる予定だったコパ・スダメリカーナの決勝戦の延期を決定。しかし、ホーム&アウェーの決勝2試合を今後開催するのは、非常に難しい状況となっていた。

 そんな状況下で、アトレティコ・ナシオナルは、コパ・スダメリカーナのタイトル(優勝)をシャペコエンセに譲る意思を表明。南米サッカー連盟はその考えを認める考えを示したのだ。

 来夏のスルガ銀行CSも開催予定。これでシェペコエンセのコパ・スダメリカーナ優勝が確定すれば、スルガ銀行CSへの出場権も与えられることになる。
 
 もちろん、シャペコエンセが今後、どのようにチームを運営していくのか、どのように選手を獲得するのかなど未定である。何よりまず優先すべきは、事故で亡くなくなった選手たちとその家族への対応になる。一つひとつの対応にどれだけの時間を要するかは現段階では分からず、来年夏のことなど、まだ誰にも分からない状況である。もちろん開催延期も選択肢のひとつになるだろう。
 
 ただ、大会を重ねてきたスルガ銀行CSが、来年、シャペコエンセと日本をつなぐ架け橋として開催されれば、とても意義深い大会になるはずだ。2016年大会は、鹿島-インデペンディエンテ・サンタフェ(コロンビア)が8月10日にカシマで開催され、一進一退の攻防の末、鹿島が0-1で敗れている。

 親善大会ではあるものの、海外のクラブチームと真剣勝負できる貴重な機会にもなっている。

 今回の事故で各地でたくさんのファンから愛されてきた数多くのブラジル人元Jリーガーが犠牲になり、日本全国で深く悼まれている。それだけに、2017年夏、浦和―シャペコエンセが埼玉スタジアムなどで開催されるとなれば、Jリーグと南米の結びつきであり、サッカーそのものとのつながりであり、改めて考えるキッカケにもなりそうだ。シャペコエンセの今後のチーム状況によっては、日本サッカー協会とJリーグにはできうる限りのバックアップをし、大会開催を実現の可能性を模索してもらいたい。

文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事