【浦和】10年ぶり戴冠まで残り15分… 槙野が勝利に欠けていたと感じたものとは?

2016年12月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

「決して1-1で逃げ切るという指示はなかった」

「跳ね返す力、我慢する力が足りなかった」と語った槙野。優勝は残り15分で零れ落ちた。(C) SOCCER DIGEST

[JリーグCS決勝 第2戦] 浦和 1-2 鹿島/12月3日/埼玉
 
 残り15分を切って、試合は1-1の同点で推移していた。このリードを保って試合終了を迎えれば浦和の10年ぶりの戴冠となる。だが、試合の流れは一進一退の様相を呈していた。
 
 そうしたなかで起きた、「あの場面」だった。鹿島の鈴木優磨が「槙野選手がボールを見て、後ろを見ていなかった。スルーするなと分かった」という読み通りに槙野智章からボールをかっさらうと、そのままペナルティエリア内まで持ち込んだ。慌てた槙野は、後ろから鈴木を倒してしまい、PKを献上。これを金崎が落ち着いて沈め、決勝点となった。
 
 ミスからの失点ではあったものの、槙野は決してチームとして「逃げ切る」サッカーをしようとしたわけではなかったと語る。
「ハーフタイムでの指示と(意思)統一は、決して1-1で逃げ切るというものではなかったし、ゴールに奪いに行く戦術と、ゴールに向かうプレーをやろうと話していた。ただ、時間が経つにつれて相手の圧力が出てきて、守り抜くというシフトに変えてはいましたけど、今日はそこで我慢できなかった」
 
 さらに、メンタル的にも割り切って攻撃にボリュームを持たせてくる相手に対し、劣勢にあったことを明かした。
「鹿島にとっては1失点しようが、なんの痛みもなかったはず。逆に前半のうちに失点してしまったなかで、鹿島は後半に勢いを持って点を取りに来るだろうと。そこを跳ね返す力、我慢する力が今日は足りなかったなと思う」
 
 今季のリーグ戦では、史上最多の勝点を奪っての年間1位だっただけに、その結果には自負があるだろう。ただ、それでも――。
「結果を受け止めなければいけないと思っている。どんな状況でも結果を残して、年間勝点1位だろうが、このCSでもしっかり勝って、『年間1位』というところを証明しなければいけなかった」
 
 決勝点となるPKは献上したが、必要以上に自らを責める言葉は口にしなかった槙野。悔しさは心の内に留め、来季への臥薪嘗胆を期しているのかもしれない。


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