浦和指揮官がコロコロ変わるJのいびつな大会方式に苦言。「しっかり検証し、公の場で話すべき」

2016年12月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

「今年のルールなら、我々は昨年広島とファイナルを戦っていた」

鹿島戦後の監督会見で大会への問題提起をしたペトロヴィッチ監督。浦和は、今季リーグ戦では過去最高の勝点ポイントを獲得して年間1位の座に就いていた。写真:徳原隆元

[JリーグCS決勝 第1戦]鹿島 0-1 浦和/11月29日/カシマ

 敵地での第1戦を阿部のPKによる決勝ゴールでモノにした浦和だが、試合後の会見でペトロヴィッチ監督はチームの戦いぶりに満足感を示さなかった。しかし、それはある意味仕方のないことだと割り切って考えているようだ。
「11月12日に天皇杯を戦った後、(CSまで)18日間あって練習試合の相手を探したが、残念ながらほかのクラブは休みに入っていて大学生としか練習試合を組めなかった。さらに、長いシーズンを緊張感とプレッシャーの中で戦ってきた影響からか、選手たちも気持ちの上でも、肉体的にもゼロに近い状況であったのではないか」

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 自チームの選手たちをこうかばうとともに、1週間前に川崎との準決勝を戦った鹿島には「公式戦に向かう上での試合勘や緊張感という意味ではアドバンテージがあったと思う」と、大会のレギュレーションも浦和に不利に働いたと感想を述べている。
 
 また、長いレギュラーシーズンを戦った後に、プレーオフを戦うことの難しさも力説する。
 
「なぜ自分たち本来の攻撃の形を出せなかったかと言えば、やはり長く公式戦のない時間があったからだ。世界中どこを見ても(リーグ戦を終えてから)1か月後にファイナルを戦うという国はないだろう。そういう意味では、どういう過ごし方をしてファイナルに臨むのか、という部分で非常に未知数ななかで難しい準備をしてきた」
 
 そして、指揮官の問題提起は日程面にとどまらず、大会方式にまで及んだ。というのも昨年のチャンピオンシップを振り返れば、浦和は準決勝でG大阪と戦い、90分で決着がつかず、延長戦の末に敗れている。だが今季、2位の川崎は鹿島との準決勝で、90分で引き分けても決勝に上がることができた。これに関して「昨年はこうしたルールがなく、我々は恵まれない結果に終わったが、今年のルールが適用されていれば広島とファイナルを戦っていただろう。そういう意味では不運だった」と振り返る。

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