【岩本輝雄のオタクも納得!】強かった頃の鹿島が復活。ただ、僕なら“あの弱点”を突くけどね

2016年11月24日 岩本輝雄

センターラインがどっしりと構えていて、簡単には崩されない。

CS準決勝は、金崎(右)の1点を守り切った鹿島が勝利。敗れた川崎は中村(中)の途中出場でリズムを取り戻したけど、いつもの躍動感がなかった印象だ。(C)SOCCER DIGEST

 チャンピオンシップの準決勝は、鹿島が1-0で川崎を破り、浦和との決勝に進んだね。
 
 年間2位の川崎は、いつもの川崎ではなかった。ちょっとバタバタしていたし、中村が途中から入ってきてしばらくしたらリズムが良くなったけど、それでもエースの大久保になかなかパスが届かないから、攻撃にも勢いが出てこない。
 
 個人的には、大久保がもっと降りてきてボールを触ったほうが活性化するとは思うけど、いずれにせよ、川崎は鹿島の牙城を最後まで崩せなかった。
 
 勝利を収めた鹿島は、決勝点を決めた金崎の調子が良さそうなのは好材料だし、とにかくセンターラインが強い。昌子とファン・ソッコの2CB、小笠原と永木の2ボランチ、金崎と土居の2トップ。この中心軸が本当にがっしりと構えているから、簡単には崩れない。
 
 なかでも、ここにきて永木の加入は本当に大きいと感じる。ボール奪取力や球際の勝負強さなど、中盤での存在感は際立っていた。
 
 小笠原とのコンビも息が合っているよね。ふたりのバランスは絶妙で、ひとりがかわされても、もうひとりがすかさず対応できる距離感も良い。縦パスが入れば素早くプレスをかけ、奪えないと思ったらステイして構える。その判断も見事だった。
 
 その小笠原はドンと構えていて、決して慌てない。どんな状況でも平然としているから、それがチームにも伝わっているように思う。鹿島としては、負けはもちろん、引き分けでもダメな状況なのに、前半を0-0で終えても、特に焦りは見えなかった。そして、後半が始まってすぐ、チャンスを逃さずゴールを仕留める。
 
 最終ラインも安定しているよね。特に、高さもある左SBの山本は強くて"堅い"。逆サイドの西は、強さというより賢くて、スピードがある。イージーミスが散見される昌子の足もとがやや不安だけど、個で戦えて、組織としてもまとまっている。
 
 川崎戦を見ていて、Jリーグが始まってすぐの強かった頃の鹿島を思い出したよ。足の速いアルシンドが、相手のSBの裏を突いて果敢に仕掛けていく。真ん中では、本田さんや石井さん、サントスがいて、ピンチをことごとく潰していく。
 
 ファーストステージは優勝して、セカンドステージは低迷したけど、ここに来て鹿島は、さすが"常勝軍団"という強さを発揮してきたと思う。

【川崎 0-1 鹿島 CS準決勝PHOTO】 3位からの下剋上で鹿島が決勝進出!

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