【CS準決勝】「本当の意味でのタイトルを」。小笠原に宿る常勝軍団の熱き魂

2016年11月24日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「満男さんはいつも通りのプレーをしてくれただけだと思う」(三竿)

序盤から球際で戦い続ける小笠原の姿が、永木や三竿らチームメイトの心を奮い立たせた。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[Jリーグチャンピオンシップ準決勝]川崎0-1鹿島/11月23日/等々力
 
 普段は寡黙でスポットライトを浴びることを望まない背番号40は、ピッチ上で誰よりも輝きを放っていた。長短を織り交ぜたパス、絶妙なボール奪取、鋭い読みとポジショニング、球際での戦う姿勢。ほぼパーフェクトの出来と言っていい。川崎戦で、そんな偉大な先輩とボランチコンビを組んだ永木亮太と三竿健斗は、その影響力の大きさについてこう語る。
 
「満男さんがそこにいるから、自分が前に出て行けた。鹿島にはタイトルを獲っている選手が多いけど、特に満男さんは勝負どころを知っていて、しっかり(チームを)締めてくれる」(永木)
 
「満男さんが闘っている姿を見て、僕たちもやらないといけないと思った。抜かれちゃいけない場面でしっかり止めていたので、さすがだなと」(三竿)
 
 永木は「魂の入った試合ができた。それが鹿島のベースにある」と語ったが、その"気持ち"の部分を奮い立たせたのは小笠原のプレーだ。苦しい展開でも、川崎の司令塔・中村憲剛を監視して自由を与えず、ピンチでは鋭いボール奪取と身体を張った守備で攻撃を撥ね返した。それでも、決して川崎戦のパフォーマンスが特別に良かったわけではないのだという。三竿は「満男さんはいつも通りのプレーをしてくれただけだと思います」と話す。
 
 そんな三竿の言葉を聞いていたかのように、試合後に取材に応じた小笠原は、1-0でチャンピオンシップ決勝に駒を進めた喜びを一切見せず、逆に課題ばかりが口を突いた。
 
「奪ってもすぐに相手ボールになっていたし、得点してからの試合の運び方はもう少し上手くできないと。この先勝っていくためには、追加点を取るなり、マイボールの時間を増やすなり、修正が必要になる」

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