【CS準決勝】敗戦に涙した大久保。チームの課題に「言い続けたけど結局は変わらなかった」

2016年11月23日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「このサッカーで優勝したかった」

ピッチから引き上げる大久保。目には光るものが。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[Jリーグチャンピオンシップ準決勝]川崎0-1鹿島/11月23日/等々力
 
 チャンピオンシップ準決勝、鹿島に0-1で敗れた後、ピッチ上では涙を流す大久保の姿があった。
 
 最後まで1点が遠く、リーグ戦の年間勝点で大きく上回っていた鹿島に敗戦。目指していたタイトル獲得はまたも叶わなかった。
 
 試合後、大久保はチームの課題を口にした。
 
「自信がない。ミスを怖がる。自信があれば余裕は出る。縦パスが出てこないというよりはボールしか動かなかった。それでは相手のディフェンスは崩れない。ボールが動いて間に選手が入ってこないと相手の守備は崩せない。だから中盤にいたほうがシュートは打てた。相手の陣形を崩せていなかったから、ゴール前では厳しかった」
 
 縦に仕掛けずにサイドにパスを回し、相手の前でボールをつなぎがちだったチームの癖に大久保は警鐘を鳴らし続けてきた。
 
「直ることはなかった。人選の問題でもある。だから今シーズンは痛い目に遭った。今年言い続けたけど変わらなかった。もったいない。自分は改善するために言ってきた。ほかのチームに行ったらこれからは言うことができない。だからこういうことをチームに対して言える人が出てこないと普通のチームになってしまう。(今季の結果に関しては)他のチームが安定していなかったから。申し訳ないけど」
 
 大久保が厳しい言葉を投げかけるのはチームの成長を信じ、さらなる高みに行けるとの確信があったからこそ。だからこそ、悔しさも人一倍なのだろう。
 
「悔しいし、寂しい。このサッカーで優勝したかった。できるからこそ言ってきた。想いはあった」
 
 そう寂しそうに話した大久保の想いを結実させるチャンスは、あとは天皇杯だけだ。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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