「レギュラーを奪い返す自信がある」長友の“ポジティブな雑草魂”は三十路でも微塵も衰えていない

2016年11月23日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

「スソを止めてくれ」と言われて送り出された。

ミラノ・ダービーで長友は65分から途中出場。乗りに乗っていたスソのマークを任された。写真:Alberto LINGRIA

「内容は良かったしもちろん勝ちたかったですけど、最後に追い付いて負けなくてよかったです。監督が変わって初戦で負けたら、やっぱりまた難しくなってくるので」
 
 現地時間11月20日のミラノ・ダービー後(セリエA13節)、インテルの長友佑都はサン・シーロのミックスゾーンでそう漏らした。
 
 フランク・デブールからステーファノ・ピオーリに指揮官交代をしたインテルにとってこのミラン戦は、新監督の下での初陣。序盤はハイプレスと縦に速い攻撃が機能して試合の主導権を握ったものの、チャンスをなかなかゴールに結びつけられない。
 
 そして、42分に一瞬の隙を突かれてスソに先制点を奪われると、53分にアントニオ・カンドレーバのミドルシュートで同点に追いついたものの、58分に再びスソに決められてミランに勝ち越された。
 
 ベンチスタートだった長友は、左SBのクリスティン・アンサルディがゴールシーン以外でも対面のスソに振り回されていたため、65分にこのアルゼンチン人DFとの交代で途中出場。「スソにかなりやられていたので、監督からは『スソをしっかり止めてくれ』と言われて送り出されました」と語った長友は、絶好調だったスペイン人アタッカーとの攻防をこう振り返った。
 
「バランスを考えてやりました。こっちがボールを持っていても良いポゼッションができてなければ、高い位置にいってもカウンターを食らうので、スソをケアしていた。でも、良い流れの中の時は僕も前に上がって、スソを下げるっていう駆け引きを意識していました」
 
 終盤に猛攻を仕掛けたインテルは、試合終了間際の92分にイバン・ペリシッチが値千金の同点弾。なんとか2-2のドローで試合を終えた。
 
 冒頭の長友のコメントの通り、相手がミランとはいえ監督交代後の初戦で黒星を喫していれば、サポーターやメディアが喧々諤々の騒ぎを起こしたのは必至。新生ピオーリ・インテルにとっては、非常に価値ある勝点1と言える。
 

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