【日本プロサッカー選手会|特別インタビュー】高橋秀人会長が語る知られざる選手会の舞台裏

2016年11月24日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「僕の言葉が『選手会の総意』になるので、責任の大きさが身にしみる」

今年6月、佐藤寿人に代わって選手会会長に就任。「次の世代にバトンタッチしたい」との言葉を受け、立候補したという。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 保障整備や社会貢献活動の企画立案や取りまとめ、時にはJリーグや日本サッカー協会との意見交換など、選手会の活動内容は多岐に渡る。華やかなオン・ザ・ピッチとは180度違う、また別の姿――。今回は、そんな知られざる選手会の活動について、組織のトップに立つ高橋秀人・選手会会長が秘める熱い想いを語ってくれた。
 
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――まずは、日本プロサッカー選手会の会長に就任した経緯を改めて訊かせてください。
 
 佐藤寿人前会長(広島/名古屋への移籍が決定)から、「次の世代にバトンタッチしたい」と言っていただきました。他の理事と話し合いを重ねるなか、僕は役員の中で年齢も若かったので立候補した結果、「秀人ならみんな応援するし、サポートしていくから」と承認してくださいました。
 
――学生時代、学級委員長や生徒会長をやっていた経験は?

 学級委員くらいです。まさか、自分がこうして(選手会)会長をやるとは思っていなかったのが正直なところで。きっかけは、6年前に支部長の代理で総会に出席した時でした。当時の藤田俊哉会長や鈴木啓太副会長、播戸さん(竜二/大宮)と岩政さん(大樹/岡山)が、日本サッカーや選手会の将来について熱い会話をしていたんです。
 
「もっとこうしたい」、「いや、これはこうだ」、「それだといろんな障害があって……」。日本サッカー界の舵取りをするにあたり、こんな激論が交わされているんだととても感銘を受けて、選手会の役員になりました。今までリーグを引っ張ってきてくれた先人の方々の熱量に感化されて、今こういう立場にあるのは、縁のようなものを感じます。
 
――実際に会長の仕事を始めて、感じたことはありますか?
 
 選手会は、会長のほかに副会長8人、監事2人がいます。彼らと話し合いながら物事を決めていくので、何か特別な権限があるわけではありません。ただ、会長は「シンボル」として見られますし、僕の言葉が「選手会の総意」になるので、責任の大きさが身にしみます。それに尽きますね。
 
――「会長」と聞くと、高橋選手の意見が色濃く反映されているのかなというイメージがありました。
 
 全然違います。選手会を代表して公の場に出て行きますが、僕の言葉だけが先行するのは良くないし、あくまで理事の中のひとりです。もしかしたら、組織の先頭に立ってリーダーシップを発揮したほうが、新たなことができるのかもしれません。ただ、そうするには、まだ知らないことがあまりに多すぎる。それに、今はJリーグ、日本サッカー協会と良い関係が築けているので、そこは引き続き大事にしていきたいと思います。

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