C・ロナウドのハットトリックをもたらしたジダン監督の名采配

2016年11月21日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

C・ロナウド&イスコの“縦の2トップ”を採用。

83分でお役御免となったC・ロナウドの労をねぎらうジダン監督。「彼が世界最高の選手であると疑ったことはない」とエースを褒め称えた。(C)Getty Images

 11月19日に開催されたマドリード・ダービーで、アトレティコ・マドリーに3-0で快勝したレアル・マドリー。リーグ戦ではここ3シーズンで2分け4敗と苦手にしていた宿敵を叩いて公式戦の連勝を29に伸ばし、今シーズンの無敗記録を継続した。
 
 この大一番で際立ったのが、ジネディーヌ・ジダン監督の采配だ。通常の4-3-3ではなく4-4-2を採用し、クリスチアーノ・ロナウドをCF、イスコを少し下がり目のセカンドストライカーに配する新布陣で臨んだのだ。
 
 これにはCFのレギュラーであるカリム・ベンゼマが故障明けのうえ、代役のアルバロ・モラタが怪我で離脱しているという事情があった。とはいえ、イスコをこの位置で起用したのは大ヒットだった。
 
 C・ロナウドの後ろで自由を与えられたイスコは、文字通り圧巻のプレーを披露。A・マドリー得意のハイプレスをもろともせず巧みにボールをキープし、次々にチャンスを作り出した。
 
 そのイスコと良好な連携を築いたC・ロナウドも、 本来の左ウイングからCFに回ってフィニッシュに専念することで持ち前の決定力を遺憾なく発揮。ハットトリックの大活躍を見せた。得点にはならなかったものの、12分に放った惜しいヘッドや、ベイルのパスを落ち着いて流し込んだ3点目は"CFロナウド"の面目躍如といったところだ。

 最近のダービーでは敵の右SBファンフランに封じ込められるケースが少なくなかったエースを輝かせたのも、指揮官の名采配と言えるだろう。
 
 A・マドリーと同じ4-4-2を採用することで、守備の局面でもバランスが崩れなかった。ヤニック・カラスコへの対策として右サイドハーフに抜擢したルーカス・バスケス、2センターハーフのルカ・モドリッチとマテオ・コバチッチもハードワークで指揮官の期待に応えた。
 
「立ち上がりからすばらしいゲームをした。このスタジアムで3対0という結果を残せるチームはごくわずかしかいないだろう。とても嬉しいよ」
 
 試合後、そう喜びを語ったジダン監督。起用が当たったイスコについては、「彼は前半、一度もボールを失わなかったね。ロナウドの後ろに置くのがベストだと思ったんだ」と満足気だった。
 
 この勝利で、マラガと引き分けた2位バルセロナとの差は4ポイントに開いた。12月3日には、その最大のライバルとの「クラシコ」が待っている。このフランス人指揮官がどんなプランで試合に臨むのか。注目は増すばかりだ。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
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