香川、3試合連続で出番なし…3日後の戦いが今後を左右する?

2016年11月20日 山口裕平

香川でなく別の選手を選んだ指揮官の判断は頷けるものだった。

リーガ11節終了時点で6試合出場(スタメン3試合)の香川。置かれている状況は厳しいものだが、限られた出場機会のなかでチャンスを活かすことでしか光明は見出せない。写真はDFBカップ2回戦(香川は出場せず)。 (C) Getty Images

 今シーズンのブンデスリーガの優勝争いを占う大一番、ドルトムント対バイエルンでベンチ入りを果たした香川だが、最後まで出番が訪れることはなった。
 
 これで香川は、負傷欠場したチャンピオンズ・リーグ(CL)のスポルティング戦から、公式戦3試合連続で出場なしという状況になっている。
 
 この試合、トゥヘル監督はバイエルン対策で、チームに手を加えてきた。採用したフォーメーションは、いつもの4-1-4-1ではなく5-3-2。ヴァイグルをアンカーに、ゲッツェとシュールレをインサイドハーフに配置し、2トップにオーバメヤンとラモスを先発に送り込んだ。
 
 攻撃でスイッチを入れる役割を任されたゲッツェが序盤からチャンスを作り出すと、11分にはゲッツェのクロスをオーバメヤンが合わせて先制。直前のチャンスもゲッツェのプレーから生まれており、トゥヘル監督の期待に応える活躍を見せたことになる。
 
 その後はバイエルンが攻勢を強めたものの、リードを奪っているドルトムントは落ち着いて試合を進めることができた。
 
 トゥヘル監督が最初に動いたのは68分。同点に追いつきたいバイエルンがさらに圧力を強めたところでシュールレを下げ、怪我から復帰したばかりのドゥルムをピッチに送り、相手のサイド攻撃への対応を図った。
 
 77分には、疲れの見えていたゲッツェに代えてカストロを投入。先発した2人のインサイドハーフが下がったことにより、この時点で香川がこの試合で起用される可能性は極めて低くなった。
 
 ドルトムントが守備への意識を強めていたこともあり、カストロが攻撃面で目立った場面はほとんどなかった。しかし、相手のバックラインに対し、全てのプレーにおいて全力でプレスを仕掛けて相手の選択肢を限定している姿を見ると、トゥヘル監督が香川でなくカスロトを選択した理由も頷けた。
 
 さらに88分には、負傷でプレー続行が不可能になったシュメルツァーが退いたが、ここで声がかかったのもプリシッチ。残り時間がほとんどなかったこともあり、ドゥルムを左WBに下げて、プリシッチにはドリブルで時間を稼がせた。
 
 この試合でエムレ・モルがメンバーから外れたことからも、いかにドルトムントのポジション争いが厳しいかが窺える。
 
 今後はさらに、怪我で戦列を離れているゲレイロとロデが香川と同じポジションに復帰し、また他のポジションであるが、ロイスがメンバー枠を1つ埋めることを考えると、香川はメンバー入りすら危ぶまれる状況になってくる。
 
 次のCL、レギア・ワルシャワ戦(22日)は順位争いがあるものの、すでに決勝トーナメント進出は決まっているため、香川にチャンスが回ってくる可能性は高い。そこで何とかきっかけを掴みたい。
 
現地取材・文:山口 裕平
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