【町田】J2復帰初年度で掴んだ手応え。夢のJ1ライセンス取得へ道は開けるか

2016年11月14日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「チームのために戦う、町田ゼルビアというのはそういう集団」(李漢宰)

李(6番)をはじめとする町田の選手は走力で松本を圧倒。リベンジを果たし、成長を示した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J2・41節]町田2-1松本/11月12日(土)/町田
 
 町田は11月12日、松本戦で2-1の勝利を収めた。リーグ戦16試合負けなしと好調で、昇格争いをするチームに対して、前半は狙いどおりの戦いを展開し、縦に速いサイド攻撃から2得点。後半は1点を失うも、しぶとくリードを守り抜き、難敵を破ってみせた。
 
「前半は特に相手にほとんどなにもさせなかったくらい、今季1番と言って良いくらいの躍動。良い攻撃、良い守備ができていた。昇格争いをするほど能力の高い(松本)山雅さんにあれだけ圧力をかけられると、なかなか前に出るのは難しかった。そのなかで今日はみんなが今季やってきたものをすべて出し切った。内容的にも後ろに下がってばかりではなく、前に出る意識をみんなが持っていた」
 
 主将の李漢宰は試合を、力強くこう振り返った。
 
 松本との前回の対戦は、5月22日の14節、当時の順位は3位と開幕から好調を維持していた町田だったが、アウェーで0-1の敗戦。1点差ではあるものの、圧倒的な走力とフィジカルの強さ、畳みかけるような厚みのある攻撃の前に反撃すら許されず、スコア以上の地力の差を見せつけられた。
 
 それから約半年。今季の成長が試された試合で、町田は見事に松本を破ってみせた。
 
「前回は、圧力にだいぶやられた感じがありましたけど、今日の試合は序盤戦よりもさらに成長した姿をみなさんに見せることができた。押し込まれる時間帯がありましたけど、それに屈することなく、自分たちらしさを90分間通して出せたんじゃないかなと思います」
 
 昇格争いをするチームを相手に、90分間〝自分たちらしさ″を出せた。これこそが成長の証だ。
 
 もともと町田というチームは序盤戦、圧倒的な走力を武器に勝点を積み重ねてきた。全員が献身的に走り回り広範囲をカバーすることで個の能力の不足を補ってきた集団だ。
 
 李は、「チームのために戦う、町田ゼルビアというのはそういう集団」と評す。

次ページ厳しい目で見れば、松本戦では小さくない課題も露呈した。

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