【宮本恒靖インタビュー|後編】日本代表へのメッセージ、そしてガンバへの想い

2016年11月09日 川原 崇(高校サッカーダイジェスト)

「間違いなく突破すると思います。そこは心配してない」

稀代のサッカー人が見据えるその先には──。写真:川原崇(高校サッカーダイジェスト)

 国際舞台で数多の修羅場をくぐり抜けた元日本代表キャプテンは、いま、ワールドカップ最終予選の荒波でもがくハリルジャパンをどう見ているのか。そして、名実ともに日本サッカー界を代表するビッグクラブへと進化を遂げた、ガンバ大阪への熱き想いに迫る。

【宮本恒靖インタビュー|前編】なぜ育成現場から新たな挑戦をスタートさせたのか?

 ツネイズム、2016年アップデート版。その後編をお届けしよう。

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サッカーダイジェスト(以下SD) ワールドカップ最終予選を戦う日本代表についても訊かせてください。チームと主力メンバーたちが過渡期を迎えたのか、なかなか結果が出ずに苦しんでいる印象です。OBの宮本さんはハリルジャパンをどう見ていますか?

宮本恒靖(以下TM) うーん。いままで引っ張ってきた代表の主力を脅かす存在がもっともっと出てきてほしいなとは思いますね。期待してるんですけどなかなか増えてこないんで、それは良くないなと。純粋に(ワールドカップ予選で戦った)イラクにしてもUAEにしてもいいチームやと思うんです。でもザッケローニの頃の代表なら普通に上回れたとも思う。一概には言えませんけど、もしかして主力メンバーがピークを超えてしまったところがあるのかもしれない。

SD 予選は突破できますか?

TM 間違いなく突破すると思います。そこは心配してない。でもワールドカップ本大会はどうか。結果を出して上に行けるか。そこまで考えると、さっきも言いましたけど、突き上げが必要なんかなと。

SD 以前の代表チームに比べて闘う気持ちが伝わってこない、なんて意見もよく耳にしますが。

TM そこは分からないですね。キャラクターであったり、時代もあるでしょうから。

SD トルシエとジーコも一時期そうだったように、ハリルホジッチ監督もいまはずいぶんな逆風に晒されています。どう見ていますか?

TM 自分たちのチームがひとつになってやっていく、その確認作業ができたらいいと思うんです。監督との信頼関係がないとなにも始まりませんから。監督が批判を浴びるなか、選手は同じグループとして、どんな行動を取ろうとするのか気になります。

SD とても大人しいチームですよね。個々が自立してると言えばそこまでですが、代表チームはもっと我の強い選手でごった返していたほうが活力が生まれると思うんです。宮本さんがキャプテンをしていた頃は、誰とは言いませんが、本当に猛獣だらけでした。

TM そこは比べられないですよね。いずれにせよ、一番大事なのはチームが勝つこと。そのためにはお互いが理解しあわないといけない。たとえば僕が戦術的にクリアにしたいところがあったので、ジーコに「こんな練習がしたい」と言ったことがあったし、それを受け入れてくれることで、またひとつ信頼関係が生まれたり。それぞれがなにができるのかを考えないと。



 

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