【ブンデス日本人の現地評】軒並み低調な代表勢のなかで評価うなぎ昇りの長谷部、唯一のゴールは2部の山田 etc.

2016年11月08日 山口裕平

「今季最低」と反省の原口、大敗の酒井は全国紙で最低点の6。

ドイツ・メディアなどからは「ジャパニーズ・ベッケンバウアー」、コバチ監督からは「マテウスのようだ」と称賛された長谷部。充実ぶりを日本代表にも還元できるか。写真はDFBカップ2回戦の後。 (C) Getty Images

 11月の代表ウィークを前に行なわれたブンデスリーガ第10節で、日本代表選手は全体的に低調なパフォーマンスに終わった。
 
 金曜日に行なわれたヘルタ・ベルリン対ボルシアMG戦(3-0でヘルタの勝利)に先発出場した原口は、自らが「今シーズンで間違いなく最低」と認める出来に終わった。
 
 前半を終えた時点でのボールタッチ数は、チームで下から2番目の15回、走行距離も下から3番目と、試合に入れていなかった。
 
 後半に入り、何とか巻き返しを狙った原口だったが、68分にエリア左角付近から強引に放ったシュートが左に外れた時点で、ダルダイ監督は原口の交代を決断した。ここまでリーグ戦全試合で先発出場を果たしてきた原口にとって、今シーズン初の途中交代となった。
 
 現地紙の評価も低調で、「(姿が)見当たらなかった」と記した『ビルト』紙、『キッカー』誌の採点は、ともにチーム最低点タイの4点だった。
 
 ハンブルク対ドルトムント戦では、酒井高徳が先発フル出場を果たした一方で、香川はメンバー外となった。
 
 水曜日に行なわれたチャンピオンズ・リーグのスポルティング・リスボン戦でも怪我の影響でメンバーから外れていたが、その後、練習に復帰していたことを考えると、今回は選外の理由が怪我ではないと考えるのが妥当だろう。
 
 一方、公式戦3試合連続でボランチでの出場となった酒井だが、チームは2-5で大敗し、自身もチームの悪い流れに引き込まれてしまった。チーム全体として対応が後手に回るなかで、懸命にボールに食らいつくもかわされる場面が目立ち、良い印象を残すことができなかった。
 
『ビルト』紙はハンブルクの選手9人に最低点の6点を付け、酒井もそのひとりに。『キッカー』誌の採点も5点と、非常に厳しい評価が下された。
 
 フランクフルト対ケルン戦(1-0でフランクフルトの勝利)は、長谷部、大迫がともに先発フル出場を果たした。
 
 この試合でも3バックの中央に入った長谷部は、的確な判断で相手のチャンスを潰し、チームの公式戦4試合連続無失点に貢献している。
 
『ビルト』紙の採点は3点と伸びなかったが、「日本のベッケンバウアーは、3バックでどんどん良くなっている。非常に人に強く、ボールを失わなかった」と称賛。一方、『キッカー』誌は2.5点をつけた。

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