【選手権予選】神奈川|あの悪夢は繰り返さない! 桐光学園が決勝進出も3点差勝利にこだわった訳

2016年11月07日 竹中玲央奈

前回選手権・青森山田戦のアディショナルタイムに2点差を追いつかれる。

桐光学園を主将として引っ張るタビナス・ジェファーソン。来季の川崎入りが内定している。

 激戦区・神奈川県で2連覇を狙う桐光学園が県立座間を寄せつけぬ強さを発揮。3-0の快勝で決勝進出を果たした。
 
 序盤からゲームの支配権を握った桐光は陣形をコンパクトに保ち、ロングボールとショートパスを織り交ぜながら敵陣へと侵入した。
 
「前回の試合は距離感が遠くて、相手の方が優勢で、自分たちがちょっと弱気になってラインが低くなってしまっていた。(今日の試合は)そこのところを強気に、前からコンパクトにしていこうというのは言っていた」
 
 先日、セレッソ大阪内定が発表されたGK茂木秀が守備面での課題をこう語ったが、座間戦ではしっかりと修正。圧倒的に押し込む要因となった。そして勢いそのままに21分、10番の鳥海芳樹が放った左CKをニアサイドでFWの西川公基が合わせ先制点を奪うと、その2分後には川崎フロンターレ内定のタビナス・ジェファーソンが左サイドから送ったクロスのこぼれを倉持快が蹴り込み2点差に。
 
 シュートを打つどころか敵陣に入る時間もほぼなかった座間にとっては、この2失点は痛恨であり、桐光にとっては"セーフティリード"と言えた。
 
 しかし、桐光は攻撃の手を緩めず、ゴールを脅かすシーンを連発。後半に入っても勢いは衰えることなく、間延びした相手の隙を突き続け、50分には先制点を決めた西川が右サイドからボックス内に侵入。西川からのパスに倉持が合わせ3点目を奪った。その後も多々あったチャンスを決めきれず3−0という結果で試合を終えたが、スコア以上の差を桐光が見せつけた結果となった。
 
「皆さんご存知のようにうちは2-0から2-2に追いつかれた過去がある。だからこそどんな相手でも3点目で、言い方は悪いですけど息の根を止めに行くというところを強調して1年間やってきている」(鈴木監督)
 
 その"過去"とは昨年度、全国へ駒を進めた選手権の3回戦、青森山田との一戦だ。力の差を示し、攻め続けて2点を先行しながらも、80+2分、80+5分と終了間際に立て続けに失点。結局、PK戦に持ち込まれて敗北を喫した。
 

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