【名古屋】久米社長が会見で謝罪。自らの進退と1年でのJ1復帰へのプランを語る

2016年11月04日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「1年でJ1に戻るには今いる選手に残ってもらう必要がある」。

試合後にサポーターへ挨拶をした久米社長。その際にブーイングを浴びた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第2ステージ17節] 名古屋 1-3 湘南/11月3日/パロ瑞穂
 
 J2降格が決まり、サポーターへの挨拶に久米社長が現われると、スタジアムはブーイングに包まれた。
 
 その後、会見に臨んだ久米社長は降格という事態を招いたことをまず謝罪した。
 
「Jリーグが発足して以来ずっとJ1でやってきた名古屋グランパスをJ2に降格させてしまい、このような歴史を作ってしまい、深くお詫び申し上げます。本当にすみませんでした」
 
 そう頭を下げ、次のように続けた。
 
「名古屋を落としてしまったのは私の責任だと思っています。フロント力がないチームがJ2に落ちていくのは、私もサッカー界で生きてきたなかで分かっていました。私は名古屋に来て選手を鼓舞する時は、ひとつの赤い球にならないといけないと言い続けてきました。そういう意味では今年のフロント力に関しては私が束ねる力がなかったと思っています。
 
 人生は一代で終わりますが、名は末代まで残ります。名古屋グランパスを落とした社長は久米だと、末代まで刻まれます。オリジナル10で鹿島とマリノスと名古屋だけがJ2に降格していなかったなかで名古屋を落としてしまったのは末代までの恥だと思います」
 
 さらに自身の進退に関しては「これは時間をいただきまして皆さんに話をしたいです。任命責任もありますし、サポーターの前ではJ1に残れなかったらということは言っています。ただ、J2に落として逃げていくのはどうかなという気持ちも自分自身のなかにあります」と説明する。
 
 また、来季に向けては戦力維持が最も大事だと話す。
 
「J2は簡単に勝てるような甘いものではありません。1年で戻り、すぐに優勝争いをするようなチームにするためには、今いる選手に残ってもらう必要があります。(他からの)オファーを蹴散らすような熱い信念がないと、あっという間に良い選手は移籍をしてしまいます。選手たちの気持ちを考えると、お金が高い方に流されていくものだと思います。しっかりそこはお金を使ってでも残していくべき選手は残したいです。
 
 監督の問題も含めて、どういう補強をするのか、社長がどうなるのか、選手たちはいろんなことを考えながら選んでいくと思います。そこは早急に結論を出したいです」
 
 サポーターへ挨拶をしながらスタジアムを一周した際、久米社長の耳には田口、永井、闘莉王ら主力に残留を請う悲痛な叫びが聞こえたという。名古屋は来季、初のJ2を戦うが、最良の準備をする時間は限られている。クラブとしてどう舵を切るのか。未来を左右する重要な数か月を迎えることになりそうだ。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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