インテル、新監督選定が紛糾…現地幹部はピオーリ、アジア首脳陣はヴィラス=ボラスを推す

2016年11月03日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ヴィラス=ボアスはモウリーニョ時代にインテルを経験済み。

インテルの新監督候補に挙がるピオーリ(左)とヴィラス=ボアス(右)。はたしてサン・シーロのベンチに座るのは? (C)Getty Images

 公式戦14試合で5勝2分け7敗とピッチ上で結果が出なかったうえ、ロッカールームの統率にも失敗したフランク・デブールを11月1日に解任したインテル。しかし、次期監督選びはまだ決着がついていない。
 
 ピエロ・アウジリオSDをはじめイタリアでチーム運営にかかわっている幹部の意見は、ステーファノ・ピオーリ(前ラツィオ監督)で一致している。
 
 しかし、最終的な決断を下すのは、中国の南京にいるオーナーの蘇寧グループとインドネシアのジャカルタにいるエリック・トヒル会長だ。
 
 彼らはイタリアの幹部とは別の選択肢を検討している。候補に挙がっているのは、アンドレ・ヴィラス=ボアス(前ゼニト監督)だ。ジョゼ・モウリーニョ時代にマッチアナリストとしてインテルで1年間仕事をしたため、ミラノの環境については知識を持っている。
 
 一時名前が挙がったロラン・ブラン(前パリSG監督)、そしてとりわけレオナルド(元インテル監督。現在はTV局『スカイ・イタリア』のオピニオニスト)の株はここに来て大きく下がった。
 
 11月3日のサウサンプトン戦(ヨーロッパリーグ4節)と6日のクロトーネ戦(セリエA12節)は、プリマベーラ(U-19)監督のステーファノ・ヴェッキが暫定的にチームの指揮を執る。その間に決断が下されるはずだ。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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