リバプール退団は大正解。ウェールズ代表MFが新天地でついに本格覚醒へ

2016年11月02日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

10試合で4ゴール・2アシスト。

ゴールやアシストだけでなく、特筆に値するのはMFとしての総合力だ。守備での貢献も高く、1年目のストークでアレンが早くも不動の地位を築いている。 (C)Getty Images

 10月31日に行なわれたプレミアリーグ10節のスウォンジー戦。ストークを3-1の快勝に導いたのが、入団1年目のMFジョー・アレンだ。
 
  開始早々の3分と73分に決めたのは、いずれもウィルフリード・ボニへのアシスト。それぞれチームを波に乗せる貴重な先制弾と、敵を突き放すダメ押しの一撃だった。
 
 この試合だけが、特別なわけではない。今夏に4年を過ごしたリバプールと決別し、出場機会を求めてストークに渡ったウェールズ代表MFは、ハイパフォーマンスを披露したEURO2016の勢いそのままに、ここまで決定的な仕事を連発している。
 
 10節を終えた時点での成績は、4ゴール・2アシスト。その数字が活躍ぶりを如実に物語る。
 
 序盤戦のチーム状態は、最悪だった。3分け4敗と開幕から大きく出遅れ、降格圏内にどっぷりと沈んでいた。そんなストークにあって、孤軍奮闘していたのがアレンだった。
 
 持ち前の戦術眼とパスワーク、運動量と守備力でストークの中盤に昨シーズン以上のクオリティーをもたらしていたアレンが、最初に目に見える結果を残したのが6節のウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(WBA)戦。ジェルダン・シャキリのクロスのこぼれ球に反応し、先制ゴールを突き刺したのだ。
 
 さらに翌節のマンチェスター・ユナイテッド戦でも、大仕事をやってのける。0-1で迎えた82分、ジョナサン・ウォルターズのシュートがポストに嫌われる。そこにタイミング良く走り込み、左足で合わせたのがアレンだった。2戦連発――。ただ、これで終わらなかった。8節のサンダーランド戦では8分と46分にゴールを挙げて、チームを今シーズン初勝利へと導いてみせるのだ。
 
 入団1年目のストークで任されているのは、トップ下。開幕当初は本来のセントラルMFを務めていたものの、WBA戦から本格的に一列前にポジションを移すと、攻撃に偏っていた中盤のバランスが大幅に改善され、チーム全体の守備力がアップした。事実、WBA戦以降の5試合は3勝2分け。攻守に渡るアレンの活躍でどん底から抜け出したストークは、順位を12位にまで浮上させている。
 
 出場機会に恵まれず、不遇をかこったリバプール時代の4年間を経て、26歳のプレーメーカーがいよいよ本格覚醒か――。プレミアリーグでいま、もっとも注目すべきタレントの一人である。
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