【磐田】名波監督が明かした“名門復活”の想い。「近い将来、チャンピオンを狙えるチームに…」

2016年10月30日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「勝点1を獲得していれば残留が決まっていたので、そこは非常に残念……」

磐田は自分たちのミスで攻撃に出るチャンスを喪失。名波監督は「すべてに浦和と差があった」と悔やんだ。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第2ステージ16節]磐田0-1浦和/10月29日/エコパ
 
「ここで挨拶するタイミングで、残留が決まっているという想定をしていましたが、残念ながらそう上手くはいきませんでした」
 
 ホーム最終戦セレモニーの冒頭で名波浩監督が口にした言葉は、偽らざる本音だろう。"昇格組"ながら第1ステージで勝点23(6勝5分6敗/21得点・23失点)を挙げ、8位でシーズンを折り返したのだから。シーズンの目標に掲げた「勝点40」も手が届くものと思われた。しかし――。
 
 第2ステージは開幕から9試合勝利がなく、ようやく勝点3を手にしたのは10節の福岡戦。順位も13位まで落ち込み、瞬く間に残留争いに呑み込まれた。第2ステージわずか1勝は、すでに降格が決まった福岡や湘南よりも少ないリーグワーストの数字である。この日も浦和に0-1で敗れ、残留争いは最終節の仙台戦まで持ち越された。
 
 名波監督が悔やんだのが、守から攻に切り替わった時のファーストプレーの質だ。何とか浦和の猛攻をこらえても、前線にたどり着くまでにパスミスを犯し、攻撃に出て行くチャンスを自ら手放してしまった。ボール支配率は42パーセント対58パーセントだったが、それ以上の差があったのではないかと思うほど、相手に攻め込まれる姿が印象に残った。
 
「いかんせん前半から、いや最終的には最後までかもしれませんけど、攻撃につながる"第一歩"の質が悪すぎました。守備に回らないといけない場面が続いて、『またか』というメンタルに徐々に追い込まれていった。奪ったあとの判断、技術的なミス、周りが見えていないなど、すべてが足りないし、すべてが浦和との差だと思います。(勝点)1ポイントを獲得していれば残留が決まっていたので、そこは非常に残念です……」
 
 磐田が「降格」するシチュエーションは、次節で甲府(勝点31/得失点差-25)、新潟(勝点30/得失点差-13)、名古屋(勝点30/得失点差-18)がすべて勝利し、得失点差でひっくり返された時だけ。引き分けでも自力での残留が決まるだけに、立場的には最も優位に立つが、名波監督はチームの現状を踏まえ、「引き分ければいいというのが実数ですが、そんな気はさらさらありません」と断言する。

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