【鹿島】CSは2強+1弱? まさかの3連敗で浦和と川崎に引き離された常勝軍団に何が起こっているのか

2016年10月30日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

川崎相手にポゼッションで対等に、時には優位に立っていた。

一瞬の隙を突かれて失点し、痛恨の3連敗。「結果」は得られなかったものの、内容で川崎を上回ることができたのは、確かな自信になるはずだ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 65分に失点した瞬間は、まあそうなるだろう、というのが正直な感想だった。
 
 多くのチャンスを作るも、決め切れずにいると失点する――サッカーではよくあることで、この日の鹿島はまさにそうだった。

【鹿島 0-1 川崎 PHOTO】森本のゴールで川崎が難敵鹿島に勝利。年間1位に望みをつなぐ
 
 前半も15分を過ぎたあたりから、鹿島が"ゴールの匂い"をまき散らしていく。ファブリシオがバーを叩く一撃を放てば、金崎がGKとの1対1の状況を作り出す。さらに、CBの昌子が強烈なミドルで川崎ゴールを強襲する。
 
 後半に入っても、流れはホームチームにあった。SBの西が高い位置に顔を出してゴールチャンスに絡み、金崎のお膳立てから遠藤が鋭いシュートを打ち込む。
 
 そのどれもが決まらずにいると、一瞬の隙を突かれてエウシーニョに際どい一発を浴びる。これは曽ケ端が懸命にセーブしたが、こぼれ球を森本に押し込まれて、あっさりと先制を許した。
 
 1点を追いかける鹿島は、さらに攻撃の強度を高め、西のクロスに途中出場の赤﨑がダイレクトで合わせるも、やはり決まらない……。スコアは0-1のまま、試合終了のホイッスルが鳴った。
 
 これで今季2度目の3連敗。「勝負強さ」は鹿島の代名詞だったはずだが、川崎にお株を奪われるような敗戦だった。

 同日、浦和が磐田を1-0で破り、第2ステージ優勝を決めた。チャンピオンシップに出場予定の3チームのなか、浦和と川崎は年間1位を目指して熾烈なデッドヒートを繰り広げる一方で、勝点差で大きく引き離されている鹿島だけが取り残されている印象だ。
 
 置かれている状況を見れば、チャンピオンシップは期待できそうにない。なによりも「結果」を重視するチームが連敗中とあれば、なにを言っても説得力を欠くだろう。
 
 救いがあるとすれば、川崎戦の「内容」には見るべきものがあったことだ。勝点1さえ奪えなかったが、今後に向けて、小さくない希望を感じさせる戦いぶりだった。
 
「どっちかというと、川崎のほうが(ボールを)持つかな、と。だから、いさぎよく引くのも大事かなと思っていたけど、今日は五分だったり、後半はうちのほうが持っていた」
 
 昌子がそう振り返るように、ボールを握りながら相手を圧倒する川崎に対し、鹿島はポゼッションで対等に、時には優位に立って、ゲームを展開していた。

次ページ「最後に勝てばいいと思っています」(西)。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事