【川崎】風間監督に新たな〝悩み″!? 新井章太が示す存在感

2016年10月30日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

横浜戦での負傷で一時離脱も、徐々に調子を上げている。

新井は鹿島戦で落ち着いたセービングを披露。2戦連続で完封勝利に導いた。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第2ステージ16節]鹿島 0-1 川崎/10月29日/カシマ
 
 鹿島戦で、川崎のGK新井章太が出色のパフォーマンスを見せた。

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 チームはこの日全体的に低調で、攻守のバランスを崩していた。シュート数7本に対して、被シュート数は17本と、劣勢を強いられた。

 新井は、「時間帯によっては憲剛と話し合って、『一旦落ち着こう』という時間帯もあった。つなぎたくてもつなげない時間もあるので、悪い時でも、前に蹴る時は前に蹴るというような判断がしっかりできた」と試合を振り返る。
 
 押し込まれる展開が続くなかでも、新井は集中力を常に高く維持していた。度々迫りくるシュートに素早く反応し、鹿島の攻撃をシャットアウト。本調子ではない守備陣を最後尾から支え、チームを勝利に導いた。
 
 昨季は23試合に出場した新井だったが、今季はチョン・ソンリョンの加入によりベンチを温める日々が続いた。しかし、その韓国人GKが9月17日の大宮戦で右膝を負傷したことで、出番が回ってくる。
 
 今季リーグ戦初先発した第2ステージ・13節の横浜戦では、相手と接触し脳震盪と左頬骨骨折を負って途中交代したが、幸いにも軽傷で済んだ。フル出場した同15節の広島戦では、苦戦しながらも新井は的確なセービングで無失点に抑え、完全復活をアピールした。
 
 そして今節の鹿島戦でも完封と、一気に調子を上げてきている。このまま正守護神に返り咲いてもおかしくない。
 
 最終節の相手は、難敵のG大阪。新井は「自分の仕事をやるだけ、1週間しっかり準備して臨みたい」と意気込みを語る。
 
 チョン・ソンリョンの復帰時期は明らかではないが、復帰するとなれば、GKのポジション争いは熾烈を極める。チャンピオンシップを前に、風間監督も頭を悩ませそうだ。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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