【選手権予選:神奈川】日本一に向けて突き進む桐光学園。日大藤沢との大一番も「目の前の1試合」に過ぎない

2016年10月23日 吉田太郎

神奈川の高校サッカー界を牽引する両雄

来春の川崎入団が内定しているタビナス主将は「試合に勝つことだけに集中していた」と振り返る。写真:吉田太郎

 10月22日、全国高校サッカー選手権・神奈川予選3回戦が行なわれ、前回優勝の桐光学園と前々回優勝の日大藤沢が激突。ベスト16で実現したV候補対決は、MF田中雄大(2年)の決勝点により、桐光学園が1-0で勝利した。

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 2014年度大会でも両校はこの日と同じ3回戦で戦い、会場も同じ日大藤沢高グラウンド。当時2年生だったFW小川航基(現ジュビロ磐田)のゴールで桐光学園が先制したものの、日大藤沢がFW田場ディエゴ(現国士舘大)の挙げた決勝点で2-1の逆転勝ちを収め、そのまま初の全国ベスト4まで駆け上がった。昨年のインターハイ予選決勝でも対戦(こちらは桐光学園が勝利)している両校は現在、神奈川県の高校サッカーを引っ張る存在だ。
 
 そのライバル同士が3回戦で"早過ぎる"対戦。桐光学園にとっては2年前と同じシチュエーション、当時以上に注目されるなかで迎えた雪辱戦だったが、選手たちは過剰に意識はしていなかった。田中雄は「ただ(決勝まで)4回勝つだけの1試合だったのでそんなに問題ではなかった」と振り返り、川崎フロンターレへの入団が内定している日本高校選抜DFのタビナス・ジェファーソン(3年)も、主将らしく「目の前の試合に勝つことだけに集中していた」と説明する。
 
 攻守両面で差を示したのが、その桐光学園だ。序盤はリスクを避け、前半10分過ぎからようやく3~4人が絡む、持ち前の連動性の高いパスワークへとスイッチ。ボールの受け手がDFを引きつけてスルーし、そこからのダイレクトパスでの崩しや、日本高校選抜MF鳥海芳樹(3年)や田中雄、FW西川公基(3年)の個人技で、日大藤沢の守りに穴を開けた。

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