【川崎】森谷賢太郎が奪った意地の無回転ミドル!不断の努力が均衡破る一発につながる

2016年10月22日 本田健介(サッカーダイジェスト)

風間監督もその活躍ぶりを称賛。

途中出場から再び大仕事をこなした森谷。苦しむチームを救った。(C)SOCCER DIGEST

[J1第2ステージ15節]川崎2-0広島/10月22日/等々力
 
 スコアレスで迎えた84分、均衡を破ったのは途中出場の森谷だった。
 
「トラップした時に(相手が)食い付いてきたので、かわして打ってやろうと。(無回転シュートは)練習でも打てていたので自信はありました」
 
 ペナルティエリアのやや外で小林からのパスを受けると、寄せてきたDFを右にかわしながら、さらに迫ってきた相手のスライディングをものともせず、右足を振り抜く。無回転の強烈な一発は、相手GKの林が反応できないままネットに吸い込まれた。
 
 終盤での大仕事を風間監督も、「(森谷)賢太郎はトレーニング、練習試合でも良かったので、本当はそのまま(先発で)使おうと思っていた。ただ(負傷明けの中村)憲剛の状態がどのくらい持つのか分からなかったので、先に憲剛を出して、そこに賢太郎を入れていけばと考えていた。その通りに彼は力を発揮してくれました。取って来いと言って本当に取って来てくれたのであのシュートはさすがだと思いました」と称賛する。
 
 第2ステージ9節の浦和戦でも途中出場した3分後に決勝弾をマークした。その勝負強さは特筆に値する。短い時間で結果を残せる鍵は、常に準備を怠らないことだと本人は語る。
 
「(練習ではスタメン組でやっていて、外されたというのは)何回もある。でも、毎試合、出るために準備をしていますし、夏場には出られないことが長かったですが、準備は怠りませんでした。万全の準備をし、出た時にどれだけできるかが大事です」
 
 今節は第2ステージで首位に立つ浦和も勝利したため、勝点6差は変わらず、残り2試合での逆転は難しくなった。しかし年間順位では勝点1差のまま。追い越すことは十分に可能だ。
 
 終盤の2試合、そして何よりもその後に待つチャンピオンシップで、森谷のような心強い切り札がいることは大きい。
 
「今年はみんなで頑張ってきた。チーム一丸となって、優勝したいという想いは強い」
 
 森谷もそう力強く語る。風間監督の懐刀とも言える頼れる男のさらなる活躍に期待だ。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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