敏腕オーナーと智将ガルシアの就任――。“激動の秋”を過ごす酒井宏樹所属のマルセイユが名門復活へ

2016年10月22日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

酒井にとっては、前政権下より持ち味を活かしやすい環境となる。

SBには守備力より攻撃力を求める傾向にあるガルシア監督。酒井にとっては追い風だ。(C)Getty Images

"激動の秋"を過ごしているのが、酒井宏樹が所属するフランスのマルセイユだ。
 
 9度のリーグ優勝を誇る名門は、過去3年は6位、4位、13位と低迷。今シーズンは9節終了現在で3勝3分け3敗の12位と浮上の兆しが見られない。この結果を受けてフランク・パシ監督の首が飛び、10月20日にはリュディ・ガルシアの招聘を決めた。
 
 復活を期すマルセイユにとって、今年1月にローマの監督を解任されて以降はフリーの身だったフランス人指揮官を確保できたのは不幸中の幸い。リールを率いた10-11シーズンにはリーグ・アンとフランス・カップの2冠を達成し、年間最優秀監督に選ばれた智将だ。
 
 ガルシア監督が標榜するのは、サイドアタックを重視した攻撃的サッカー。パワフルな縦への突破と豊富な運動量が武器の酒井にとっては、前政権下よりも持ち味を発揮しやすい環境となるに違いない。ここまで出場9試合でアシストは0ながら、積極的なオーバーラップで攻撃に厚みをもたらしている。リーグ初アシストは時間の問題だろう。
 
 新監督を発表した2日前の10月18日には、クラブ買収が正式に決定した。マルガリータ・ルイ=ドレフュスに代わって新たにオーナーを務めるのは、アメリカ人の実業家フランク・マコート氏だ。
 
 マコート氏は不動産事業で巨万の富を得た63歳で、2004年から12年までMLBのロサンゼルス・ドジャースのオーナーを務めたことでも有名だ。その8年間でチームは3度の地区優勝を経験しているやり手だ。
 
「今後4年間で2億ユーロ(約240億円)の投資を準備しているよ」
 
 そう語る敏腕オーナーのマコート氏の下で、マルセイユは名門復活なるか。ガルシア新監督の手腕、酒井の今後のパフォーマンスとともに目が離せない。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
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