マンチェスター勢、ミラン、パリSGらが狙う評価急騰中のコートジボワール人MFとは?

2016年10月21日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

冬と夏のメルカートにおける目玉商品の一人に。

今シーズンがセリエA初挑戦ながら際立ったパフォーマンスを見せているケシエ。すでに欧州中のビッグクラブが興味津々だ。(C)Getty Images

 セリエA序盤戦で最も際立った活躍を見せている一人が、昨シーズンまでまったくの無名だった19歳のコートジボワール人MFだ。
 
 アタランタに所属するフランク・ケシエは、アンカーやインサイドハーフを主戦場としながらも、ここまでセリエAで7試合に出場して5得点・1アシストを記録。猛烈なボディーコンタクトで敵からボールを奪い、勇猛果敢に前線に駆け上がっていく。
 
 ゴールを決めた時に見せる兵士のような敬礼のポーズは、元サッカー選手でその後は兵士となり、彼が11歳の時に病に倒れた父親へのオマージュだ。
 
 2015年1月にコートジボアールのステラ・クラブからアタランタに引き抜かれたケシエは、昨シーズンのセリエB(チェゼーナ)での武者修行を経て、風を掴んで空に舞い上がった今、このままより高いところまで飛び続けようという強い意欲に満ち溢れている。
 
 もちろんヨーロッパのメガクラブも、それに気付いている。10月2日のアタランタ対ナポリ戦には、パリSG、マンチェスター・U、マンチェスター・Cのスカウト陣がスタンドに顔を揃えていた。
 
 しかし彼らは、大事なことをチェックし忘れていた。ケシエはこの日、累積警告で出場停止だったのだ。スカウト陣はいずれまた、時期を見てイタリアまで足を伸ばすだろう。
 
 もちろん、イタリア国内でもケシエには熱い視線が注がれている。ユベントス、インテル、ナポリ、さらに中国資本になる見込みのミランが、すでにアタランタのウンベルト・マリーノSDに獲得の可能性を打診している。
 
 今冬、そして来夏のメルカートにおける目玉商品の一人となることは間違いないだろう。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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