「日本でも10代でW杯に出る選手を育てたい」JFAがナイキとの連携で育成改革に乗り出す

2016年10月21日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

「育成環境の整備が2050年のW杯優勝に繋がる」と信じて。

会見に出席したJFAの田嶋会長(左)と『NIKE ACADEMY』のエドゥワルド・コーチ(右)。(C)NIKE

 10月21日、JFA(日本サッカー協会)とナイキジャパンが都内のJFAハウスで記者会見を開いた。
 
 JFAでは2050年のワールドカップ優勝と日本のサッカーファミリー1000万人を目標に掲げる『JFA2005年宣言』の理念とビジョンに基づきさらなる育成促進を目指す『JFA Youth & Development Programme』が、今年1月に始動。そのオフィシャルパートナーにナイキジャパンが就任し、日本の育成強化をサポートすることになった。
 
 パートナーシップの柱となるのが、2009年からイングランドで活動するプロ養成所『NIKE ACADEMY』のトレーニングメソッド導入だ。
 
 イングランド・サッカー協会が所有するトレーニング施設『セント・ジョージズ・パーク』を本拠地とし、スカウトプロジェクト『NIKE MOST WANTED』を通じて世界中から選抜された若きプレーヤーたちが、ハイレベルな指導者たちの下で切磋琢磨する同アカデミーは、10月11日の日本代表戦にも出場していたオーストラリア代表MFのトム・ロギッチをはじめ過去7年で76名のプロ選手を輩出するなど、プロへの登竜門としてグローバルレベルで広く知られている。
 
 その世界レベルのトレーニングメソッドを持ち込み、日本サッカーの底上げを図ろうというのが最大の狙い。具体的には、『NIKE FOOTBALL アプリ』での練習メニュー提供(11月19日から)をはじめ、高円宮杯U-18サッカーリーグのプレミアリーグとプリンスリーグに所属するクラブへの訪問トレーニング(2017年から)、高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 チャンピオンシップ優勝チームの英国『NIKE ACADEMY』への遠征(2017年1月予定)、JFAアカデミー福島でのプログラム実施(10月22日)などが予定されている。
 
 登壇したJFAの田嶋幸三会長は、こうコメントした。
 
「選手育成の方法というのは多種多様で、その中で特徴ある選手が育っていきます。心身ともに育ち盛りのユース選手が『NIKE ACADEMY』のトレーニングを受けることで新たな刺激を得て、さらなる成長に繋がることを期待しています。育成にはとても時間がかかります。9月にはU-17代表がU-17ワールドカップの出場権を獲得し、現在はU-19代表がU-20ワールドカップを目指してアジア予選で奮闘しています。いずれも喜ばしいニュースです。トレセン制度を含めた従来の日本のやり方をさらに進化させる意味でも、今回のナイキジャパンとのパートナーシップを含めて育成環境の整備を進め、他国のように10代でA代表のワールドカップに出るような選手を育てることが目標です(10代でW杯に出場した日本人選手は1998年大会の小野伸二のみ)。それが目標である2050年のワールドカップ優勝にも繋がると考えています」

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