【日本代表ルーツ】「家族が好きだから」。快足FW浅野拓磨を突き動かす力の源

2016年10月13日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「いつしかプロになって、俺が家族を養っていく」。

今年7月、アーセナルへの完全移籍が決まり、広島でのラストゲーム後に最愛の家族と記念撮影。浅野の目からは思わず涙がこぼれた。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 日本代表FW浅野拓磨は三重県三重郡菰野町で生まれ育った。ペルナSCでサッカーを始めると、中学時代は八風中、高校時代は四日市中央工高でプレーし、そしてサンフレッチェ広島でデビューを果たした。
 
 そんな浅野を支えたのが、最愛の家族である。浅野家は7人兄弟(6男1女)の大家族。汗水流して厳しい家計をさせる両親の姿を見て、「いつしかプロになって、俺が家族を養っていく」と強く誓った。また、兄弟たちも互いに励まし合いながら、同じプレーヤーとして切磋琢磨していった。
 
 2015年6月25日号のサッカーダイジェストで、同期の野津田岳人(現・新潟)との対談を行なった際、浅野は家族との"絆"の強さを感じさせる、こんなエピソードを明かしている。
 
 2015年、U-22日本代表の活動でマレーシアを訪れた時のこと。チームは緑溢れるトロピカルガーデンの中に佇むリゾートホテルを拠点としていた。ホテルを目の当たりにすると、ふと頭に浮かんだのは家族の存在だったという。
 
「プールとかもある、綺麗な良いホテルで、『ここに家族と来たら、楽しいだろうな……』ってボソッと言ったんですよ。そしたら、隣におった(鈴木)武蔵に、『お前、一生彼女できねえよ』って言われました(笑)。その時に、『あ、ほんまやな』と思いました。みんなだったら、『女の子と来たいな』と思うところを、なんで思わんのやろうなって」
 
 すかさず、「俺ならそう思うもん。てか、妹が彼女みたいな部分もある」と突っ込みを入れる野津田に対し、浅野は「純粋に家族が好きなんだよ」と微笑みながら返した。浅野の家族想いな一面が垣間見えた一面である。
 
 日本代表選手のルーツ探訪。10月13日発売の『サッカーダイジェスト』では、今回、浅野本人と恩師の証言をもとにしたストーリーを、5ページにわたり特集している。世界を驚かせるスピードを兼ね備える"快足FW"は、どのように育てられていったのか? ぜひご覧いただきたい。
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