ジダン「マドリーの問題点はフィジカルではなく心理面にある」

2016年10月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

特別な集団を率いるという、信じられない機会を楽しんでいる。

世界最高のクラブを率いる喜びと苦労を同時に味わっているジダン。 (C) Getty Images

 公式戦4試合連続引き分けという、クラブ史上初の"記録"を作ったレアル・マドリー。首位を走っていた国内リーグでは、ビジャレアル、ラス・パルマス、エイバルという格下相手に勝ち切れず、ライバルのアトレティコ・マドリーに勝点で並ばれてしまった。
 
 この状況は、地元メディアなどからは「チームの危機」と捉えられており、かつてマドリーを率いたイタリア人智将、ファビオ・カペッロは「フィジカルに問題を抱えているのだろう」と分析しているが、ジネディーヌ・ジダン監督はこれらを否定している。
 
 これは、盟友であるクリストフ・デュガリーがインタビュアーを務めたフランスのラジオ局『RMC』の取材に対してジダンが語ったもので、彼は現在のチームの問題点は別のところにあると見ている。
 
「チームは確かに問題を抱えており、今、その解決にあたっているところだ。もちろん、現状には満足していない。私が思うに、現在のチームの問題点はフィジカルではなく、心理面にあるのではないだろうか」
 
 ジダンは常に、選手の気持ちを高めることに苦心しているという。
 
「選手にはいつも、ローテーションについて話しているし、ピッチに立てない選手には、その理由を説明している」
 
 6節のラス・パルマ戦では、途中交代を告げられたクリスチアーノ・ロナウドがベンチで悪態をついたりもしたが、ジダンは「それはプレーへの意欲が強いことの証明であり、チームに貢献したいという気持ちの表われでもある。とても結構なことじゃないか」と意に介していない。
 
「ただ、シーズンで60試合をこなすのは無理だ。EUROの後、彼には休みが必要だった。私は1998年にワールドカップ(優勝したフランス大会)の後、すぐにユベントスに合流したことで、そのシーズンは散々だった」
 
「監督に就任した最初の3週間は、毎日、朝8時に練習場に入り、帰るのは夜の11時だった」と振り返るように、マドリーを率いるには大変な苦労が伴うが、それ以上の喜びがあるとジダンは語る。
 
「私は特別な集団を率いている。勝つ時もあれば負ける時もあるし、いつ監督でいられなくなるかも分からないが、それでも私は今、この時を楽しんでいる。毎日、練習場へ通う途中で、車のなかから木々のひとつを見ることさえもだ。私は今、信じられないような機会を得ている」
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