【G大阪】“ガンバと対戦するのは嫌だな”。なぜ、そんな「怖さ」が感じられないのか?

2016年10月05日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

このままでは終われない! 取り戻したい「強気」と「ボールの収めどころ」

長沢のシュートセンスは光る。一方、前線の起点役としてはここ2試合、前田や興梠との差が感じられた。(C)SOCCER DIGEST

 G大阪が3連勝のあと、1分1敗と星を落として、第2ステージの優勝争いから大きく後退した。年間勝点でも3位の鹿島との8差を縮められなかった。
 
 10月1日に埼玉スタジアムで0-4と完敗を喫した浦和戦のあと、長谷川健太監督は険しい表情で語った。
 
「チャンピオンシップ進出は厳しくなった。もちろん最後まで諦めずに戦うが、カップ戦も残っているので、今季は今季のサッカーで、頂点を目指したい」
 
 そのように、事実上、これからはルヴァンカップと天皇杯の獲得を重視していく方針を示した。
 
 とはいえ、現状のチーム状態では、タイトルを獲得するのは難しい。なにより最近のG大阪からは、「怖さ」が感じられない。"ガンバと対戦するのは嫌だな"という威圧感を取り戻すことが最低条件と言えるだろう。
 
 最近の試合を見て感じるのが、ボールの収めどころが限られている、というか、見当たらないこと。ボールが行ったり来たりする展開が目立ち、下位相手であれば個の力でねじ伏せてきた。ただ、戦術的に共通点が多く個のレベルで拮抗するFC東京には引き分け、そしてボールポゼッションすることでリズムを作り出す浦和には完敗を喫した。
 
 FC東京戦のあと、ゴールを決めた田邉草民が語っていたコメントが印象的だった。
 
「相手(G大阪)はカウンターを狙っているので、あえて、僕らにボールポゼッションをさせていたと思う。でも、ここまで自由にボールを持たせてもらえるとは思っていなかった」
 
 あえて、相手にボールを持たせる――。それもひとつの手だが、常套手段にしてしまうと、非常にリスクが高くなってしまうことが、この2試合でより浮き彫りになった。
 
 G大阪が脅威の存在になるのは、ポゼッションとカウンターを臨機応変に使い分けている時だ。ただ、最近はカウンターの比重が高まり"過ぎている"ことが、田邉の言葉からも分かる。アデミウソンの個人技、長沢駿や大森晃太郎の"一発"によってチームは救われてきたが、なにかしらの打開策が迫られているのは事実だ。

【浦和 4-0 G大阪 】 屈辱…11人全員につながれた

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