【浦和】“ミシャの申し子”宇賀神がゴールパフォーマンスに込めた想い

2016年10月03日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「『点を取った時くらい褒めてくれよ』という意味で、サポーターのところに行きました(笑)」。

ダメ押しとなる3点目を決めた宇賀神は、「もっと褒めてくれ(笑)」という想いでゴール裏のサポーターの下へと向かったという。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第2ステージ14節]浦和 4-0 G大阪/10月1日/埼玉
 
 2-0で迎えた83分、森脇良太からの縦パスを駒井善成が右サイドでキープする。そこから、猛スピードでオーバーラップした森脇に再び渡り、最後は――。
 
 森脇のピンポイントクロスを、左サイドから中央に入り込んでいた宇賀神友弥が左足で合わせる。インサイドキックで正確にミートされたボールは、ポストに当たって逆サイドのネットを揺らした。
 
 G大阪がアデミウソンの退場でひとり少ない状況だったとはいえ、鮮やかな崩しからの完璧なシュート。試合を決定づける意味でも貴重な一発だった。得点が決まると、宇賀神は浦和サポーターが詰めかけたゴール裏へと駆け寄り、「歓声をもっとくれ!」とばかりに両手を耳に当てて、余韻に浸った。宇賀神は得点シーンをこう振り返る。
 
「(柏木)陽介が自分のポジションも確認して、わざとスペースを空けるようにニアに動く出してくれた。あとは森脇(良太)くんのボールも完璧。完璧すぎて緊張したくらいです(笑)。(シュートは)際どいコースに行きすぎましたけど、狙いとしてはあそこだったので、良かったです」
 
 報道陣から「サポーターのところに行って何を聞きたかったんですか?」とパフォーマンスの意図を問われると、少し照れくさそうに笑いながら口を開いた。
 
「普段、僕はあまり褒められることは多くないので、『点を取った時くらい褒めてくれよ』という意味で行きました(笑)。勝負を決めに行く3点目で非常に重要なゴールだったと思うし、スタジアムがグッと盛り上がる雰囲気を味わえた。ひとつでも多く、またそういう瞬間を味わいたいと思いました。まあ、『すかしすぎで気持ち悪い』と、みんな(チームメイト)には悲鳴が聞こえたみたいですけどね(苦笑)」

次ページ「自分たちは年間チャンピオンしか見ていない。勝負強さを見せるのはここから」。

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