【広島】「浦和は強かった…」。佐藤寿人がライバルに感じた“似て非なる部分”

2016年09月26日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「ずっと浦和がボールを持っていたし、攻撃を仕掛けている回数も多かった」。

75分に登場し、皆川との2トップで反撃を試みた佐藤だったが……。大一番で、浦和との力の差を見せつけられる結果となった。 (C)SOCCER DIGEST

[J1第2ステージ13節]浦和3-0広島/9月25日/埼玉
 
「正直、浦和は強かった。だから、悔しいですよ……」
 
 佐藤寿人は試合後、そう心の内を吐露した。
 
 背番号11が出場した時点では3点ビハインドとすでに大勢は決していた。それは「監督の采配だから自分が何かを言うことではない」と割り切っている。ただ、チャンピオンシップ進出に望みをつなぐうえで、負けられない一戦において、浦和のほうがリスクを負って前に出て行く現実が受け入れ難かったのだ。

 同じ3-4-2-1のシステムで、それぞれマンツーマンで対応していたが、両者にはひとつ違いがあった。浦和は両ストッパーの宇賀神友弥と森脇良太が攻撃時にセンターライン付近までポジションを上げ、全体に厚みをもたらしている。それによって、広島はシャドーの茶島雄介と柴﨑晃誠は低い位置を取らざるを得ず、全体も常時5バックに近い状態だった。佐藤は「相手(ウチ)が嫌がることを考えての作戦だと思う」と分析する。
 
「(ストッパーの森脇)良太なんかすごい高い位置にいた。それはウチはやらないし、同じようなサッカーに見えつつも、浦和はウチとは少し違うサッカーだった。ずっと浦和がボールを持っていたし、攻撃を仕掛けている回数も多い。ウチの攻撃の選択肢が増えなかったのは、決まった位置に人がいて同じパターンになってしまったから。浦和のほうが、いろんなポジションチェンジをしたり、リスクを負っていた」
 
 リーグ優勝を果たした昨季は、相手の攻撃を全員で堪え、反撃のチャンスをモノにして勝点を着実に積み上げていた。しかし、この日はリーグ得点王のピーター・ウタカがPKを失敗し、その直後に先制を許すなど、いずれもチャンスを逃した後に失点を喫している。いまひとつ波に乗り切れない今季を象徴しているかのようだった。

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