【横浜FC】指揮官も脱帽する2度のPKストップ!!  GK南を“神ってる”状態に導いたスイッチとは?

2016年09月19日 小田智史(サッカーダイジェスト)

“神ってる”と指揮官も脱帽する、2度のPKストップを披露。

PKを献上したチームメイトを助ける“神セーブ”を披露。若い楠元には「(PK)止めたから頑張れよ」と声をかけたという。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[J2第32節]横浜FC2-0京都/9月18日/ニッパツ
 
 2-0――。公式記録だけ見れば、ともすると2得点のFWイバに目が行ってしまいがちだ。しかし、この日の"本当の主役"は、GK南雄太だった。
 
 2点リードで迎えた74分、途中出場の楠元秀真がペナルティエリア内で相手を倒して、PKを献上した場面で最初の見せ場がやってくる。キッカー・キロスはゴール左下を狙って右足を一閃。対する南は、「(キロスが)目線を切るのが早かった」とコースを予測して迷わず右に飛び、強烈なシュートを弾き出した。
 
 チームは試合終了間際の87分にもPKを与えてしまうが、再び南が立ちはだかる。続くキッカーはエスクデロ。「スカウティング通りだった」と再び右に飛び、ゴールを守り抜いた。「2本止めるのを見るのは初めて」(中里崇宏)という離れ業に、中田仁司監督は「"神ってる"」と、プロ野球で広島東洋カープが25年ぶりにリーグ優勝したことで流行となっているフレーズを用いて守護神を称賛。ただ、当の本人は「必死にやっているだけ」だったと振り返る。
 
「みんなが点を取って頑張ってくれていたし、(京都に)1点取られたらもっと押し込まれると思って、無失点にこだわっていました。余裕はないけど、開き直れたというか、あれで入れられても仕方ないなと(笑)。迷った時は、結構PKは決められてしまうんですが、ある程度(飛ぶ方向が)スパッと決まったのと、タイミングがピッタリだったので」
 
 19年のキャリアを誇る南を持ってしても、「記憶にない」という1試合で2度のPKストップ。「PKは以前から得意か?」との問いかけには、「どうなんですかね(苦笑)」と言葉を濁したものの、日頃のトレーニングで行なっているチームメイトとのPK練習が一役買ったと明かす。
 
「イバとか、津田(知宏)、ジャンボ(大久保哲哉)は、必ず試合の2日前からPK(の練習)をやる。彼らのPKは全然止められないけど、(練習を)やることでタイミングとか合ってきますからね」

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