吉田との1対1の対決を「楽しみにしていた」。
9月10日の鳥栖との上位対決。関根が吉田とのマッチアップに勝って2ゴールをお膳立て。『サッカーダイジェスト』誌の「マン・オブ・ザ・マッチ」にも選出。写真:田中研治
[J1第2ステージ11節]
浦和レッズ2-0 サガン鳥栖
9月10日/埼玉スタジアム2002
序盤から球際や1対1の局面で激しい争いが演じられた。J1第2ステージ2位・浦和と3位・鳥栖による上位対決は、両チームともに主導権を掴み切れず、一進一退の攻防が続いていた。
そこで風穴を開けたのが、浦和の右ウイングバック関根貴大だった。
柏木陽介の中央に狙ったロングフィードが、サイドに逸れる。中央に走り込もうとしていた関根はすぐに動きを修正し、右サイドのタッチライン沿いに出てギリギリでボールをトラップする。
そこに襲い掛かってきたのが、好調な鳥栖を牽引してきたサイドバックの吉田豊だ。しかし関根が一瞬先にボールに触り、森脇良太をパスにつなげる。
さらに武藤雄樹→ズラタン→宇賀神友弥とつなげて、そして待望の先制ゴールが決まった。41分、浦和が記録した先制点。関根の"踏ん張り"がなければ、生まれていなかった。
その3分後、今度は浦和の背番号24がするするっと中央にポジションをとると、後方でビルドアップに加わっていた阿部勇樹が察知。すかさず縦にロングフィードを放つ。
関根は冷静にボールをコントロールしてターン。そしてオフサイドトラップを仕掛けようとした吉田の背後を突いた武藤へ、正確なスルーパスを通した。
鳥栖守備陣をあざ笑うかのような1本のパスで局面を打開。関根がリードを広げる貴重な2点目をアシストした。
試合後、関根は言葉を弾ませて振り返っていた。
「(吉田との1対1を)とても楽しみにしていたんです。抜くか、取られるかという戦い。より強い相手なので、積極的に行くことしか考えていませんでした。
だから、もっと、どんどん仕掛ける場面があっても良かったのかなと思う。涼しくて身体がよく動いたので、スピーディな展開を楽しんでできました。
(2点目は)上手く身体を入れ替えて前を向くことができました。(吉田には)何もさせたくなかったけど、やはり『強いな』と思いました」