【U-18プレミア】首位・市立船橋が後半戦を白星発進。追われる立場の難しさを乗り越えられるか

2016年09月01日 安藤隆人

総体王者となって後半戦スタート。「世間の注目が増しているのは分かっている」

後期初戦の新潟U-18戦で1得点・1アシストをマークした高。Jスカウトも注目するボランチだ。写真:安藤隆人

 プレミアリーグEAST前期を首位ターンし、その後のインターハイ(総体)では通算9度目の全国制覇を果たした。盤石の強さを見せるチームに、一切の驕りは感じられない。
 
 プレミアEAST後期開幕戦・アルビレックス新潟U-18対市立船橋の一戦で、総体王者が見せた戦いぶりは、まさにそれを示していた。
 
「世間の注目がどんどん増しているのは分かっています。だからこそ、逆にうかうかしていられないというか、より『やらなければいけない』という気持ちが強いですし、むしろ不安の方があります」
 
 新潟戦の前々日に市立船橋の練習を取材に行った時、DF杉岡大暉(※9月1日に湘南入団内定)はこう素直な気持ちをこぼした。
 
 前半戦こそ首位ターンという結果を出したが、それが後半戦を保証することは一切ない。何度も全国の頂点を争い、歓喜と悔しさを味わい続けて来た伝統がなせる業か、杉岡をはじめとする選手たちはそのことを十分に理解していた。
 
 むしろ、杉岡が『不安』と表現したように、追われる者の怖さを肌感覚で分かっているからこそ、「後半戦は、前半戦のようにはいかない」という危機感が、不安にも繋がっていく。
 
「不安は僕もあります。このままでいいのかと。どこも僕らを相手にすれば全力で来る。そこで受けて立ってしまうと、自分たちの良さが出てこなくなってしまいますから」
 
 攻守の要の高宇洋も杉岡の言葉を受け、想いを口にした。それはマークが集中するであろう自分自身にも向けられており、「自分が受け身に回ったらチームの良さが出なくなる。自分がキーだと思っている」という自覚と警戒心となって表われている。
 
 不安と危機感。そして首位であり、総体王者であるプライド。様々な気持ちが渦巻くなかで、後半戦開幕となる新潟戦を迎えた。
 
 前半は不安の部分が顔を出した形となり、新潟の素早い攻撃に手を焼いた。杉岡と原輝綺のCBコンビの連係もスムーズではなく、パスミスも目立つ展開に。だが、それでも主導権を完全に相手に渡すことはなかった。悪いなりにも崩れないように、高が抜群のバランス感覚を見せ、全体を落ち着かせた。
 
 前半はともに無得点で45分を終えた。
 

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