【日本代表】香川真司が語る最終予選突破の鍵は?

2016年08月28日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「ベストメンバーが揃わないというイメージを常に持っていた方が良い」

欧州組ならではの難しさを吐露した香川(右)。オランダでプレーする太田(左)ともコミュニケーションを図った。写真:徳原隆元

 8月28日、ロシア・ワールドカップ・アジア最終予選を控える日本代表がトレーニングを行なった。
 
 前日、ブンデスリーガの開幕戦にトップ下で先発した香川真司は、「(早く帰ってこられるように)頑張りました」と、試合後5分でスタジアムを出て、帰国の途についたという。それだけに、合流初日はコンディション調整に時間を割いた。
 
「日本に着いてから(UAE戦まで)4日間ある。明日の夜に着くのとでは全然違う。時間は充分にあるので、しっかりと準備していきたいと思っています」
 
 日本での調整期間を十分にとるために早く帰国しただけに、自身が「問題ない」と語るようにコンディションは良さそうだ。ただ、好調を語りながらも、ある懸念も口にした。
 
「ドイツも暑いですけど、日本の暑さに慣れてない。今は日本も台風が近づいてるということで涼しいですけど、試合の日になったら分からない。湿度も含めて、一番そこが厄介。練習の中で環境に慣れていきたい」
 
 日本特有の暑さに慣れることは、海外組ならではの難しさだ。そして、同じく海外組の長友佑都が今回怪我で招集が見送られたことについて訊かれると、残念そうな顔をしながらも、さらに最終予選突破のヒントを示した。
 
「(長友は)経験もあり、チームの中心選手ですから(残念です)。ただこういうことは最終予選では起こり得るし、逆にベストメンバーが揃わないというイメージを常に持っていたほうが良い。だからその分、違う選手が活躍できるように、しっかりと良い準備をしていけば良いと思います」
 
 最終予選は1年に及ぶ長期戦だ。香川は過去の経験から、常にベストメンバーが揃わないことを想定して戦うべきだと警鐘を鳴らす。
 
 コンディションをできるだけ良い状態に保つことを心掛け、不測の事態を想定し、その時々の状況で最大限の力を出す――日本の総合力が問われる戦いが、間もなく始まろうとしている。厳しいアジアの舞台で、背番号10を背負う男のハイパフォーマンスを期待したい。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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