【日本代表】「最終予選も勝って当たり前という雰囲気をどう思うか」。監督、選手の見解は?

2016年08月28日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

最終予選のラストがアウェーのサウジアラビア戦ということを忘れてはいけない。

本田は

 いよいよ9月1日からロシア・ワールドカップのアジア最終予選が始まるが、日本国内には「最終予選も勝って当たり前」という雰囲気がある。それはそうだろう。1998年のフランス・ワールドカップから5回続けて本大会に出場しているのだ。「今回の最終予選は厳しいよ」と言われても、ピンとこないサポーターがいるかもしれない。
 
 ただし、ハリルホジッチ監督はそうした雰囲気を「罠」と警戒する。
 
「最終予選は本当に難しいと見ています。オーストラリアやUAEより我々のほうが強いのか。イラクやサウジアラビアはどうなのか。正直、日本のほうが強いとは思えません。私のこの見立てが誤っていてほしいと願っていますが、少なくとも現時点では確信を持って『日本が一番強い』とは、私の口からはとても言えません」
 
 CBの森重に言わせれば、今回のワールドカップ最終予選は「プレッシャーとの戦い」になる。
 
「『日本はワールドカップに出場できる』という雰囲気のなかで、予選を突破するのは簡単じゃないでしょうね。前回のアジアカップはベスト8止まりという結果を考えても日本の苦しい現状は分かります。並々ならぬ覚悟で最終予選に臨まないといけない」
 
 森重が危機感を募らせる背景には、準備期間の短さもあるだろう。今回の代表合宿がスタートするのは8月27日のJ1リーグを終えた後。つまり、9月1日のUAE戦まで数日間しかないわけだ。しかも、8月30日に合流する欧州組もいるという。2か月以上の強化合宿を組んでいるUAEのほうが、コンディションは明らかに良いだろう。
 
 コンディションについては、キャプテンの長谷部も次のように話している。
 
「ヨーロッパでプレーする選手たちはシーズンが始まったばかりでコンディションが上がりきっていないかもしれません。それに、(欧州とは違って)蒸し暑い日本とタイでの試合(9月6日)になるので、覚悟を持って臨まないと足をすくわれる恐れがあります」
 
 監督や選手のコメントから判断するかぎり、今回のアジア最終予選は簡単に突破できないかもしれない。ただ、清武は「厳しい戦いが待っている」と気合いを入れつつ、「僕も日本がワールドカップに出場して当然だと思いますよ」とも言った。
 
「海外で活躍する選手も多いですし、そう見られるのは嬉しいこと。それをプレッシャーに感じず、普段どおりの戦いをすれば大丈夫でしょう」(清武)
 
 プレッシャーをプレッシャーに感じないようにするためにも、UAEとの初戦は絶対にモノにしないといけない。忘れてはならないのが、今回の最終予選のラストがアウェーのサウジアラビア戦ということだ。ハリルホジッチ監督のシナリオは、その前のオーストラリアとのホームゲームまでに本大会出場を決めるというものだろう。UAE戦に負けてから「日本、大丈夫?」というムードになっても遅い。
 
 ハリルホジッチ監督は言う。
 
「リラックスして、安堵していたら足をすくわれます。日本の国民が、簡単にロシアに行けると考えていれば、そう警告したい」
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