【北中米W杯出場国紹介|第9回:ウズベキスタン】21歳のビッグネームが力強くチームを支える。指揮官は優勝経験のあるイタリア人

2026年01月06日 河治良幸

縦への速さを重視したサイドアタックが軸

W杯初出場を果たしたウズベキスタン。旧ソ連崩壊後から積み上げてきた選手育成と代表強化の成果がようやく結実した。(C)Getty Images

 北中米W杯のアジア予選で、初の本大会出場を果たしたウズベキスタン代表は、「8.5」に拡大されたアジア枠の追い風だけで説明できる存在ではない。

 むしろ、旧ソ連崩壊後から30年あまりで積み上げてきた選手育成と代表強化の成果が、ようやく結実したと捉える方が妥当だろう。2024年のパリ五輪出場に象徴されるように、年代別代表からA代表まで一貫した強化が進み、その延長線上に北中米W杯行きの切符があったのだ。

 予選後に就任した、元イタリア代表DFのファビオ・カンナバーロ監督が率いるチームは、現在3-4-2-1を採用している。3バックをベースに中央を固めながら、ウイングバックを高く押し上げる攻撃設計が特徴で、縦への速さを重視したサイドアタックが軸となる。

 ビルドアップは非常にシンプルで、サイドの推進力を活かす志向が明確に出ている。そのアクセントになるのが、左右のセンターバックから対角に繰り出されるサイドチェンジだ。

 チームの象徴的存在が、キャプテンであり絶対的エースのエルドル・ショムロドフ(バシャクシェヒル)だ。イタリアのセリエAで豊富な経験を持ち、現在トルコでプレーするストライカーは、前線の明確な基準点であり、ボックス内の非凡な決定力も併せ持つ。

 彼が中央で時間を作れるかどうかは、両ワイドのシャドーやウイングバックの攻撃参加に直結する。攻撃のパフォーマンスはショムロドフに大きく左右される。

 中盤から前線をつなぐリンクマンはアジズ・ガニエフ(アル・バタイヒ)が務める。視野の広さと配球でリズムを作るチャンスメーカーでありながら、危険なシャドーストライカーでもある。サイドアタックを多用するチームにおいて、中央からワイドにかけてボールに関わり、最適な攻撃ルートを導き出す。

 オストン・ウルノフ(ペルセポリス)は11月のエジプト戦で2得点を挙げるなど、国際舞台での決定力を示す。本大会ではショムロドフに相手のマークが集中すると見られるだけに、このウルノフが躍進のキーマンだろう。
 
 守備の要として構えるのが、現在ウズベキスタンで唯一の世界的なビッグネームと言えるアブドゥコディル・クサノフ(マンチェスター・シティ)だ。スピードとパワーを兼備するハイレベルなセンターバックでありながら、21歳という年齢を感じさせないメンタル面の頼もしさが、力強くチームを支える。

 守備範囲の広さも強みとする彼を3バックのどこに配置するかも、カンナバーロ監督の重要な選択になるはず。ただし、フスニディン・アリクロフ(リゼルスポル)も、もっと国際的な評価が上がっても良い守備のタレントだ。
 

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