Jリーガーを兄に持つ大分鶴崎のドリブラーが圧巻のアシスト!将来は“道しるベのような存在”とは違う道に…「プロは目指していない」【選手権】

2025年12月31日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「点が欲しかったんで、すごく悔しい」

何度も仕掛けて、相手の脅威となった木許。写真:永島裕基

[高校選手権・2回戦]大分鶴崎(大分)1-0奈良育英(奈良)/12月31日/ゼットエーオリプリ

 12月31日に行なわれた第104回全国高校サッカー選手権の2回戦で、大分鶴崎が奈良育英と対戦。1-0で勝利し、ベスト16に駒を進めた。

 この試合の決勝点を見事にアシストしたのが、左ウイングの木許央雅だった。26分、左サイドからキレキレのドリブルで2人を抜き去ってクロス。2年生FWの山下紫凰が左足で決めたシュートをお膳立てしてみせた。

「ここは仕掛けるしかないなと思って、シザースで一枚かわして。自分でシュートを打つか、中に入れるかで、シュートを打つ振りをしながら中に入れて、紫凰が決めてくれた」

 初戦の山形明正戦では、持ち味を発揮できず、「珍しい」(首藤謙ニ監督)途中交代。奮起を促すための"愛の鞭"だった。

 その指揮官の思いに見事に応えたドリブラーは、「点が欲しかったんで、すごく悔しい」と話しながらも、「一昨日の試合は全然ドリブルが成功できなくて、全然足についてなくて悔しかったんですけど、今日はドリブルも結構いけたんで、いい感覚を持てたと思います」と手ごたえを口にした。
 
 木許の2歳上の兄・太賀さんは、J2の大分トリニータに所属するJリーガーだ。大分のジュニアユースに在籍していた木許は、兄のようにユースに昇格することは叶わず、大分鶴崎でプレーを決断した。

 初戦の前後に、兄からは連絡はこなかった。頻繁にやり取りをするわけではないが、点を取ったりすると連絡が来る時もあるという。

「自主練とか一緒にしていて、プロなってるんで、身近な、自分の道しるべのような、成長させてくれる存在です」

 その兄のようにJリーガーを目指すのか。将来の目標について訊くと、「プロは目指してはいないです」ときっぱり。夢は消防士になることで、大会後に試験を受ける予定だという。本格的にサッカーをするのも選手権が最後となる。

 アシストはしたが、まだゴールは奪えていない。仲間たちと1日でもサッカーを続けるために――。心の内の炎は燃えたぎっている。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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