代理人メンデスの「法外なコミッション要求」で複雑化…。アンドレ・ゴメス争奪戦の舞台裏

2016年08月25日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ポグバの一件で懲りていたユーベは断固として要求をはねつける。

7月21日にバルセロナ移籍が決まったA・ゴメス。それ以前には複数のクラブと交渉を持っていた。(C)Getty Images

 アンドレ・ゴメスのバルセロナ移籍を演出したのは、もちろん代理人のジョルジュ・メンデスだ。
 
 3年前の夏、メンデスはA・ゴメスをベンフィカからバレンシアに移籍させた際に、次の売却時には移籍金の30%とも40%とも言われるコミッションを受け取るという合意を取り付けていた。ミーノ・ライオラとポール・ポグバのケースと同様だ(ライオラは2012年夏にポグバを移籍金ゼロでユベントスに連れてきた際、次回売却時に移籍金の30%をマージンでもらうという契約を結んでいた)
 
 最近のサッカー界ではバックに投資ファンドをつけるなどして巨大な資金力を手に入れた大物代理人が、自分に関係する選手(直接の顧客とは限らない)の獲得に手を貸す代わりに、次の売却時に大きなコミッションを取るというスキームが一般化しつつある。
 
 最初にゴメス獲得に動き出したのはナポリ。すでに冬の段階からメンデスと接触して話し合いを持った。もっとも、メンデスもA・ゴメス自身もナポリへの移籍を望んでおらず、話はそれ以上進まずに萎んでいった。
 
 次に動いたのはユベントスだった。彼らはかなり以前からA・ゴメスをマークしており、今夏も中盤補強のメインターゲットのひとりとしてメンデスとの交渉を続けていた。この話がまとまらなかったのは、まさにメンデスに支払うパーセンテージについて合意が見出せなかったからだ。
 
 メンデスはユーベに対しても、次の売却時には今よりもさらに高いパーセンテージ(40
~50%)を認めるよう要求。これに対してユーベは、ポグバの一件を通じて、代理人に大きなパーセンテージを認めるその弊害を身に染みて実感しており、同じ過ちを二度と繰り返さないという強い意志を持っていたのだ。
 
 また、マンチェスター・Uは他でもないユーベからポグバが獲れなかった場合の「保険」としてゴメスをリストアップしていた。しかし、そのポグバ獲得のメドが立ったために、こちらの話は立ち消えになった。

次ページR・マドリーは移籍金も個人の契約内容も合意に達しながら…。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事