【バイタルエリアの仕事人】vol.59 スベンド・ブローダーセン|親日家のドイツ人GKが語る“日本愛”。感銘を受けた文化や漫画…シュートが上手いと感じたJリーガーも明かす

2025年12月24日 中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)

GKとして大事にしているのは…

「バイタルエリア」に対する考え方を話したブローダーセン。(C)SOCCER DIGEST

 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第59回は、今冬にファジアーノ岡山から川崎フロンターレへ移籍が決まったGKスベンド・ブローダーセンだ。

 前編では、岡山のJ1昇格1年目となった今シーズンについてや、日本への移籍を決断した理由を語ってもらった。後編となる本稿ではまず、「バイタルエリア」に対する考え方を訊いた。

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 バイタルエリアにおいて、ゴールキーパーとして大事にしているのは、真ん中を閉めることです。外に追い出すことで、相手にとってはゴールへの角度が狭くなり、シュートを打つのがより難しくなると思います。あとは、ディフェンスラインを下げ過ぎないことです。
 
 ディフェンスラインが下がり、相手にボックス内への侵入を許すと、よりゴールに近い状態になってしまいます。ダイレクトでシュートを狙われる可能性もあるので、危険が高まってしまいます。できる限りボックスの外に追い出すことで、たとえシュートが飛んできたとしても、13、14メートルぐらい離れているので、より守りやすい状況を作れます。また、ラインを下げ過ぎないように設定できていれば、ボールホルダーに対してプレッシャーをかけやすいです。

 そのような守り方を意識していても、シュートが上手な選手はいます。僕がこれまで日本で対戦してきたなかで、すごいなと感じたのはヴィッセル神戸の宮代大聖選手です。すごくシュートに威力があって、良いコースを狙ってくる。

 あとは京都サンガF.C.のラファエル・エリアス選手も、宮代選手と同じでシュートが力強い。また彼は左利きなのでキーパーにとって少し厄介です。これはどのキーパーにも言えることですが、これまでのキャリアを通じて試合や練習のなかで、左足のシュートより右足のシュートを受けることのほうが圧倒的に多い。慣れという意味においても左足のシュートを止めるのは少し難しくなるので、エリアス選手のシュートを止めるのに苦戦した記憶があります。
 

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