鈴木彩艶が怪我で不在。ガーナ戦でGKの先発は? 序列では早川友基が一歩リードか。小久保玲央ブライアンの豊富な国際経験にも期待【日本代表】

2025年11月12日 元川悦子

「全力で自信を持ってやりたい」

森保Jで常連になりつつある早川。J1で首位の鹿島でも充実の日々を送っている。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 11月シリーズでガーナ、ボリビアと対戦する日本代表。10日に活動をスタートさせ、2日目の11日には遠藤航(リバプール)や堂安律(フランクフルト)らも合流。ピッチ上に出て練習したのは9人だけだったが、26人全員が揃った。

 正守護神の鈴木彩艶の負傷で追加招集された野澤大志ブランドン(アントワープ)が加わったGKグループも、3人全員で臨戦態勢に突入した格好だ。

 今回の早川友基(鹿島)、小久保玲央ブライアン(シント=トロイデン)、野澤というGKグループは、いずれも代表経験が少ない。初招集の小久保と、昨冬のアジアカップに参戦した野澤はキャップ数がゼロ。今年になって急成長した早川は、7月のE-1選手権の中国戦に出場しただけだ。

 鈴木が左手の骨折という事態に直面し、本来であれば大迫敬介(広島)が穴を埋めるはずなのだが、クラブが天皇杯の準決勝(11/16)に進出していることで今回は選外に。代表歴の浅い3人で、北中米ワールドカップ本大会の出場権を獲得しているガーナ、来年3月の大陸間プレーオフに挑むボリビアと相まみえる。大きな重圧を背負うことになるが、逆に絶好のアピールの機会とも言えそうだ。

 そこで、14日のガーナ戦だが、先発争いは早川と小久保の一騎打ちの構図と見られる。E-1後、9・10月シリーズに招集され、J1で首位の鹿島でも圧巻パフォーマンスを見せつけている早川が序列的には上だろう。

「E-1の後、鹿島でヒリヒリしたゲームも経験しましたし、代表を含めて自分のキャリアとして本当に充実した日々を過ごせている。緊張感を持ちながらも楽しむところ、あとは全力で自信を持ってやりたいなと思います」と本人も強調する。
 
 気がかりな点があるとすれば、国際経験の乏しさではないか。明治大学時代はコロナ禍で海外遠征ができず、年代別代表経験は皆無。となれば、圧倒的な身体能力とパンチ力を誇るガーナのアタッカーと対峙した際、感覚的なズレが生じないとも限らない。本人もそこは意識して戦う必要があるだろう。

 その早川に比べると、2019年にポルトガルに渡った小久保には豊富な海外キャリアがある。ベンフィカの下部チームで長くプレー。2024年のパリ五輪では「国防ブライアン」の異名を取るほどの好セーブを連発し、直後にシント=トロイデンへ移籍。2シーズン続けてコンスタントに試合出場を重ねているのだ。

「(アフリカ勢は)不意なシュート、ロングシュートが基本的に多いと思ってるんで、そこの準備は常にしなきゃいけない。欧州でもアフリカ系の選手とやってますけど、縦に速かったり、ドリブルも理不尽な抜き方をしてくるので、その対応は日本ではなかなか味わえない。向こうで良い経験をしていると思います」と本人も語る。
 

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