流経大柏から3人目のプロ内定。増田大空はなぜジュビロ磐田行きを決めたのか?「自分が考えている1つ奥を示してくれる」

2025年10月20日 安藤隆人

見える世界の広さ、思考の深さを学ぶ

2026年の磐田加入が内定した増田。クラブを通じて「これまで以上に覚悟と責任を持ち戦います」と意気込み。写真:安藤隆人

 10月20日、流通経済大柏高の3年生DF増田大空のジュビロ磐田内定が発表された。これで流通経済大柏からの高卒プロ入りは、DF島谷義進、MF安藤晃希(共に水戸ホーリーホック)に次いで3人目となる。

 増田は精度抜群の左足のキックが武器の左サイドバック。鹿島アントラーズつくばジュニアユースでは3年間、かつてJリーグ屈指のレフティ左サイドバックだった根本裕一監督から基礎と応用をしっかりと学んだ。

 高校ではトップでレギュラーを獲得したのは今年からだったが、コツコツと積み重ねてきた左足のキックに加え、突破、攻守の切り替え、ビルドアップ面を磨いてきたことで、一気に頭角を現した。ベスト4に終わったインターハイ後にJ1の1クラブと磐田の練習に参加し、先にオファーが届いた磐田入りを決めるに至った。

「高校に入学した時は、高卒プロが目標でした。でも2年生の時に選手権メンバーに入れなかったり、思うように試合に出られない時期があったりと、厳しい状況が続いていたので、大学に進学して、4年間を経てプロになるという思考にチェンジしたんです。

 でも今年、いざ自分たちの代のプレミアEASTが始まると、試合を追うごとに手応えを掴めてきて、年代別の代表にも選んでもらって、そこから遠かったプロが一気に近づいてきた気がした。なので、もう一回、高卒プロを目ざそうと強く思うようになりました」
 
 磐田の練習参加で、大きな財産を得たという。練習ではサイドバック以外のポジションをこなしたが、「自分が思っていたことの、さらにもう1つ奥のアドバイスをもらえて、サッカー観がさらに広がった」と、見える世界の広さ、思考の深さを学んだ。

「プレーして『今のはこうだったのかな』と思った時に、もちろんそれは言ってくれるのですが、プラスして『これもできるといいよ』と言ってくれるんです。自分が考えている1つ奥を示してくれるので、ここなら成長できると思いました」

 増田はこれまで、常に周りの同じポジションの選手のプレーに着目し、自分と照らし合わせながら創意工夫をしてきた。

「高校1年生の夏まで1年生チームにいた時は、『1年生のカテゴリーで試合に出られればいいや』と甘い考えを持っていました。でも、夏に上に行きたいと強く思うようになってから、1年生チームとプリンスリーグ関東のチームで紅白戦をやる時に、マッチアップするサイドバックの選手の武器や特長を見て、自分にないものがあったら参考にしながら、次の練習、紅白戦に臨んでいたら、夏過ぎにプリンスのチームに上げてもらえた。そこで『きちんと毎日工夫して考えて積み重ねればチャンスは来る』ということを学びました」

 昨年、プレミアや選手権に出られない時も、ずっとトップの左サイドバックのレギュラーだったDF堀川由幹(現・流通経済大)のプレーを食い入るように見つめ、彼の武器だけではなく、チームとして左サイドバックに求められているタスクを学び、それを自分のプレーと思考に照らし合わせてきたからこそ、今年ブレイクすることができた。
 

次ページ「その先を見てきちんと積み重ねていきたい」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事