【リオ五輪】初の無失点もGL敗退に責任を感じる植田。「この借りはA代表で返したい」

2016年08月11日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「今日は無失点に抑えたけど、修正するのが遅かった」

力強いプレーでスウェーデンの2トップを封じ込め、3試合目で今大会初の無失点。それでも、グループリーグ敗退に「修正が遅かった」と悔やしさを滲ませた。 写真:JMPA/小倉直樹

[リオ五輪グループリーグ第3戦]日本1-0スウェーデン/現地8月10日/アレーナ・フォンチ・ノーバ
 
 グループリーグ最終戦、手倉森ジャパンは今大会初勝利を初のクリーンシートで飾った。しかし、勝利を告げるホイッスルが鳴った瞬間、室屋成とともに3試合フル出場を果たした植田直通は、憮然とした表情でグループリーグ敗退の現実を必死に受け止めていた。

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 植田の悔しさを増長させたのが、やはり初戦のナイジェリア戦で喫した5失点だ。常日頃、「自分はDFだから失点しちゃいけない」「CBをやっている以上、自分が失点の責任を負わないといけない」と話している男にとっては、約1週間が立った今でも、のどに骨が詰まったような感覚のままなのである。
 
「今日は無失点に抑えましたけど、修正するのが遅かったなと思います。どういう大会でも初戦が一番大事だし、最初にああって守備が崩れて、第1戦・第2戦と失点が続いてしまった。初戦を無失点で行ければチームも勝っただろうし、凄くチームに迷惑をかけたなと。それが本当に悔いが残ります」
 
 個人としては、世界と「戦える気持ちもある」(植田)が、チームが勝たなければ意味がない。ナイジェリア戦ではチーム力を上げなければいけないと感じさせられ、コロンビア戦では後半に2失点。「細かい部分を突き詰められなかった」のが結果的に致命傷になってしまった。だから、せめてスウェーデン戦だけは絶対に無失点に抑えたかったという。
 
「スウェーデン戦は何が何でも無失点でいってやろうと思っていました。最後に勝てて良かった反面、予選敗退で悔しいという想いもあります」
 
 スウェーデン戦はチーム発足から練習試合を含めて47試合目。植田は誰よりも長くピッチに立ち続け、チームを支えてきた。大会直前にはしのぎを削ってきた奈良竜樹が大怪我により五輪出場が絶たれ、岩波拓也も何とか大会メンバーに滑り込んだ状態。植田はU-23世代のディフェンスリーダーとして孤軍奮闘した。「約2年半の代表活動を振り返ってみて」と問われた植田は、「今の自分があるのはこの代表のおかげ」と断言する。
 
「クラブで試合に出られていない時も、テグさんがこのチームに呼んでくれてしっかり成長させてもらった。だから、テグさんを最後に胴上げとかして恩返しをしたい想いはありましたけど……、こういう結果になってしまってすごく申し訳ないです」

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