サッカー版“二刀流”だ。浦和のGK西川が関根の先制点をアシスト! 攻守で快勝劇に貢献

2016年08月06日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

「普通のGKがやらないようなプレーを僕は求められている」。

精度の高いロングフィードで、関根の先制点をアシスト。しっかり“狙った”キックだったところに価値があった。(C)SOCCER DIGEST

 
[J1 2ndステージ7節]
浦和レッズ 1-0 湘南ベルマーレ/8月6日/埼玉スタジアム2002

 浦和のGK西川周作が攻撃で大仕事をやってみせた。湘南戦の開始8分に左足の高精度ロングフィードから関根貴大のヘディングによる先制ゴールをもたらし、「アシスト」を記録したのだ。

【浦和 4-1 湘南 PHOTO】浦和が4ゴールで圧倒。ホーム通算500試合目を勝利で飾る
 
 浦和は立ち上がりから湘南のアグレッシブなプレスを受けて、CFの李になかなかボールが収まらず苦戦を強いられていた。そんななか迎えた8分、自陣ゴール前のペナルティエリアでボールを持った西川が前方を見る。
 
 積極的にプレスをかけるため高めに最終ラインを設定していた湘南のゴール前には、広くスペースが空いていた。そこに右ウイングバックの関根が一瞬の隙を突いて走り込む。相手チームのマークは誰もついてこない。
 
 その動きを察知した浦和の背番号1がすかさず、左足を振り抜きフィードを放ったのだ。
 
 ボールはちょうど湘南のGK村山智彦が飛び込めないペナルティエリアのライン手前の絶妙な位置でバウンドする。浦和で身長が最も低い167㌢の関根がジャンプすると、対処にもたつく184㌢の村山に空中戦で競り勝ち、ヘディングで合わせる。ボールは転々として、湘南ゴールに吸い込まれていった――。
 
「8分 得点:関根 アシスト:西川」。
 
 いろいろな"意外"な要素から生まれた一撃だった。すべては、西川の"狙っていた"キックから始まった。
 
 試合はその後、浦和が主導権を握り、42分にカウンターから武藤が2試合連続となるゴールを決めて2-0とリードを広げる。直後、湘南の大槻に倒れ込みながらのシュートをねじ込まれてしまい、1点差で前半を折り返す。
 
 後半に入ると、両チームともに早い段階から交代選手を投入していく。猛烈な暑さのなかで激しい消耗戦を繰り広げるなか、CKから槙野が3点目を叩き込む。
 
 湘南も新加入のジネイを投入して反撃を試みるものの、浦和に個で上回られてしまい、狙いとする縦に速い展開に持ち込めない……。

 結局、アディショナルタイムに武藤のこの日2点目を追加した浦和が4-1で逃げ切った。
 

次ページ攻撃と守備の両面=二刀流で勝利に大きく貢献。ゴールショーの口火を切ったのは、紛れもなくその左足のキックからだった。

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