「ステップアップするためにここにいる」ベルギー2年目の22歳日本人FWが充実の躍動!STVV谷口の股を抜くアシストには「いやいや、狙ってません」【現地発】

2025年09月15日 中田徹

ウェステルローを6位に押し上げるハイパフォーマンス

ここまで2得点・1アシストの坂本。上々の出来に「焦ってもしょうがない」。(C)Belga Image/AFLO

 シント・トロイデン(STVV)は開幕戦から4勝2分けと好調でベルギー1部リーグ2位に付けている。そんな"今季の驚き"に対し、ウェステルローは9月14日、3-0で完勝した。

 攻守がしっかり噛み合ったウェステルロー。試合後の記者会見で、シャライ監督は先の移籍市場でFC東京から加入したDF木村誠二のことを褒め称えた。

「誠二はチームのDFにスピードを加えてくれました。すぐにチームに適合した、インテリジェントな選手です。今、彼は英語の勉強に取り組んでいます。来た当初は、コミュニケーションを取るのに少し難があったのは当然のこと。そのなかで、しっかり進歩を示しています」(シャライ監督)

 攻めでは今年1月に加入したFW坂本一彩が39分、ナチョ・フェリの決めた先制ゴールを見事にアシストし、結果を残した。タックルに来たDF谷口彰悟の股の間を通した技ありのラストパス。これは狙い通りだったのか?

「いやいや、あれは狙ってませんでした。谷口選手の足が思ったより伸びてきて、(谷口が)逆を突かれたというか。だから狙ったわけじゃないんです」
 
 この日の坂本は78分間に渡ってシャドーストライカーのようにプレー。長身FWフェリをやや後ろからサポートするポジションを取りながら、衛星のように動き回ってSTVVの守備網を撹乱した。

 今季のウェステルローは開幕戦でアンデルレヒトに2-5の完敗を喫したが、その後は調子を上げていき、現在6位と上位圏に付けている。その要因を坂本はこう語る。

「開幕戦はちょっと統一感がなく、自分たちのやりたいことがまとまってなかった。だんだんチームが良くなってきたと感じています。守備の面でも攻撃の面でも、意思統一がはっきりしたことが、現在の結果につながっていると思います」

 STVV戦のアシストシーンでも明らかなように、坂本は今季から加わったフェリとの連携を高めている。

「『ビルドアップの時にロングボールを蹴るので、そこで90番の選手(フェリ)がボールを収めて、その周りを自分が(活用する)という関係性を築け』と言われていて、それがうまくいっていると思います。今日も僕がアシストして、彼がゴールを決めたという、いい関係性がありました。彼とのやりやすさを感じています」

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