チーム全体を力強く統率
ピッチを縦横無尽に駆け回った遠藤。攻守両面でタフにプレーした。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)
2000年以降、日本はメキシコと4度、対戦してすべて敗戦。高い壁にぶつかり続けてきた。
こうしたなかで、日本は2026年北中米ワールドカップの開催国アメリカのオークランドで、難敵に真っ向勝負で挑んだ。主導権を握られる展開も予想されたが、この日の森保ジャパンは非常に良い入りを見せ、強度や球際の部分で敵を凌駕する時間帯も長かった。
90分間のシュート数も9対8と相手を上回っており、本当に勝っていてもおかしくなかった。だが、53分に南野拓実(モナコ)が決定機を逃したシーンに象徴される通り、決めるべきところで決め切れない。拮抗したゲームができただけに、勝てなかったことが悔やまれた。結果は0-0の引き分けだった。
日本の守備陣に目を向けると、ピッチに立った主力級は板倉滉(アヤックス)1人だけ。その板倉も60分に右足首を痛め、関根大輝(スタッド・ドゥ・ランス)との交代を強いられた。
その時点の3バックは代表2戦目の関根、5戦目の渡辺剛(フェイエノールト)、8戦目の瀬古歩夢(ル・アーブル)の3人。さらに鎌田大地(クリスタル・パレス)に代わって7戦目の佐野海舟(マインツ)を投入と、ボランチから後ろはやや不安も拭えなかった。
こうしたなかで、日本は2026年北中米ワールドカップの開催国アメリカのオークランドで、難敵に真っ向勝負で挑んだ。主導権を握られる展開も予想されたが、この日の森保ジャパンは非常に良い入りを見せ、強度や球際の部分で敵を凌駕する時間帯も長かった。
90分間のシュート数も9対8と相手を上回っており、本当に勝っていてもおかしくなかった。だが、53分に南野拓実(モナコ)が決定機を逃したシーンに象徴される通り、決めるべきところで決め切れない。拮抗したゲームができただけに、勝てなかったことが悔やまれた。結果は0-0の引き分けだった。
日本の守備陣に目を向けると、ピッチに立った主力級は板倉滉(アヤックス)1人だけ。その板倉も60分に右足首を痛め、関根大輝(スタッド・ドゥ・ランス)との交代を強いられた。
その時点の3バックは代表2戦目の関根、5戦目の渡辺剛(フェイエノールト)、8戦目の瀬古歩夢(ル・アーブル)の3人。さらに鎌田大地(クリスタル・パレス)に代わって7戦目の佐野海舟(マインツ)を投入と、ボランチから後ろはやや不安も拭えなかった。
そこで彼らを落ち着かせたのが、大黒柱の遠藤航(リバプール)だった。
「『簡単なプレーでいいから、まずはしっかり試合に入れ』と航君に言われた。自分も緊張して入ったので、そこで一息つけて入れたので有難かったです」と関根は神妙な面持ちで言う。そうやって言動1つで若手を落ち着かせることができる。多くの修羅場を経験してきたキャプテンがもたらす安心感だ。
プレー面でも縦横無尽にピッチを駆け回り、チーム全体を力強く統率していく。特に目を引いたのが、右サイド裏のスペースを瞬時に埋めた87分の守備。渡辺が出したロングボールが左SBヘスス・ガジャルドにカットされた瞬間、関根が食いつき、背後に縦パスを出されてピンチに。そこで背番号6がスッと寄せ、危機を未然に防いだのだ。
「一番危ないところを自分が抑える形でした。斜めに走られた選手をタッチライン際で守備しましたけど、空いたところをカバーするのが自分の仕事なんで」と本人は淡々と語っていたが、高度な危険察知能力を備えた遠藤がいたからこそ、後ろの選手たちは安心感を持ってプレーできたことだろう。
さらに、この3分後にも遠藤の凄さが前面に表われる。前田大然(セルティック)の左タッチライン際からのスローインを受けると、強引なドリブルで一気に前へ抜け出し、左斜め前にラストパス。これを受けた上田綺世が敵DFセサル・モンテスのファウルを誘い、退場に追い込んだ。この攻撃参加の判断の鋭さは見る者を大いに驚かせた。
「終盤のところは、本当にワンプレーで違いを見せられるシーンを作りやすい。ああいう試合でも勝ち切りたいという思いは強かったし、キャプテンとしてどこで違いを見せられるかは、いつも意識しているので」
遠藤はこう意図を説明していたが、このような前がかりに行くプレーはシュツットガルト時代に数多く見られた。特に2021-22、22-23シーズンは遠藤が攻守両面のあらゆる仕事をして、チームを残留へと導いたわけだが、当時を彷彿させるようなアグレッシブな攻めで、絶大なインパクトを残した。
「『簡単なプレーでいいから、まずはしっかり試合に入れ』と航君に言われた。自分も緊張して入ったので、そこで一息つけて入れたので有難かったです」と関根は神妙な面持ちで言う。そうやって言動1つで若手を落ち着かせることができる。多くの修羅場を経験してきたキャプテンがもたらす安心感だ。
プレー面でも縦横無尽にピッチを駆け回り、チーム全体を力強く統率していく。特に目を引いたのが、右サイド裏のスペースを瞬時に埋めた87分の守備。渡辺が出したロングボールが左SBヘスス・ガジャルドにカットされた瞬間、関根が食いつき、背後に縦パスを出されてピンチに。そこで背番号6がスッと寄せ、危機を未然に防いだのだ。
「一番危ないところを自分が抑える形でした。斜めに走られた選手をタッチライン際で守備しましたけど、空いたところをカバーするのが自分の仕事なんで」と本人は淡々と語っていたが、高度な危険察知能力を備えた遠藤がいたからこそ、後ろの選手たちは安心感を持ってプレーできたことだろう。
さらに、この3分後にも遠藤の凄さが前面に表われる。前田大然(セルティック)の左タッチライン際からのスローインを受けると、強引なドリブルで一気に前へ抜け出し、左斜め前にラストパス。これを受けた上田綺世が敵DFセサル・モンテスのファウルを誘い、退場に追い込んだ。この攻撃参加の判断の鋭さは見る者を大いに驚かせた。
「終盤のところは、本当にワンプレーで違いを見せられるシーンを作りやすい。ああいう試合でも勝ち切りたいという思いは強かったし、キャプテンとしてどこで違いを見せられるかは、いつも意識しているので」
遠藤はこう意図を説明していたが、このような前がかりに行くプレーはシュツットガルト時代に数多く見られた。特に2021-22、22-23シーズンは遠藤が攻守両面のあらゆる仕事をして、チームを残留へと導いたわけだが、当時を彷彿させるようなアグレッシブな攻めで、絶大なインパクトを残した。