【ブラジル戦プレビュー】敵将がネイマールの先発を明言。日本は興梠の1トップ、浅野はスーパーサブか

2016年07月30日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「このオリンピック、耐えてしか勝てないと思っているので、耐える練習をしたい」と手倉森監督。

ブラジル戦の日本の予想布陣。システムは4-2-3-1で、1トップはオーバーエイジの興梠、2列目は南野、中島、矢島のトリオが並びそうだ。

 リオ五輪本大会前のラストゲームで対戦するサッカー王国ブラジル。現地時間30日の16時30分(日本時間31日4時30分)にキックオフ予定のこの試合を前に、ロジェリオ・ミカレ監督は、前日記者会見でネイマールのスタメン起用を明言した。

 他にもマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)とラフィーニャ(バルセロナ)の欧州組、ガルリエル・ジェズス、ガブリエルの強力アタッカーらほぼベストメンバーで臨むことを明かしており、"最終テスト"としては申し分のない状況だ。
 
 ブラジル戦の意義について、手倉森監督はこう説明する。
 
「強豪国との対戦で相手の強さを思い知らされてみたいなと。自分はこのオリンピック、耐えてしか勝てないと思っているので、耐える練習をしたい。ブラジルはスピード、パワー、華麗なパスワークが注目されますけど、本来得意なのはカウンターで、その速さは大会随一。それを体感しておけば、ナイジェリアのスピードに面を食らわずに済むし、ブラジルだって試合をコントローするはずで、遅攻と速攻の対応法も学べる」
 
 個々の能力では、やはりブラジルのほうが1枚も2枚も上手だ。1対1で守るのではなく、連動した守備でボールホルダーに厳しくプレッシャーをかけ、「シンプルに球際で戦う」(遠藤航)こと。そして、攻守の切り替えを早め、速攻に持ち込めるかがポイントのひとつになる。
 
 スタメン全員を予告したブラジルに対し、手倉森監督も記者会見で「基本的にビブスを着てないほうが(先発)メンバー」と応戦。指揮官の言葉に倣えば、システムは4-2-3-1で、興梠慎三、南野拓実、中島翔哉、矢島慎也、原川力、遠藤航、藤春廣輝、植田直通、塩谷司、室屋成、中村航輔の11人となる。
 
 GKは所属クラブでレギュラーとして活躍する中村だ。27日のセルジッペ戦でも、出場した後半45分間を無失点に抑えている。強力な攻撃陣を擁するブラジルに得点を与えない好パフォーマンスを見せれば、本大会を前に櫛引政敏から守護神の座を奪う格好のアピールになる。
 
 CBの岩波拓也が万全の状態でないこともあり、塩谷と植田がコンビを組む。SBは室屋と藤春のふたりだ。この4人で形成する最終ラインが粘り強く守ることができれば、ブラジルにも焦りが出て隙が生まれるはず。

 また、手倉森監督は「数少ないチャンスでボールを持った時に、相手を少し横にスライドさせて幅を持たせたい」と話しており、両SBがどのタイミングでオーバーラップを仕掛けられるかもポイントになるだろう。

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