「嬉しい驚きだったのは…」スぺイン人記者が見た久保建英への“熱狂”。ソシエダの日本ツアーに帯同、“トラブル”発生時にはタケが手助けを「クラブの広報が助けを求めた」

2025年08月13日 ミケル・レカルデ

観客全員がタケのゴールを期待しているような雰囲気

日本のファンを沸かせた久保。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 日本人の推し選手への忠誠心の高さは、ここドノスティアでもすっかり有名になっている。タケ・クボ(久保建英)がレアル・ソシエダに加入して4年目を迎えるが、シーズン中はスタッフたちから認識されるほど、毎日少なくとも1人の日本人ファンがサインや写真撮影を求めて、出入りを待っている。雨が降ろうが、雪が降ろうが、灼熱の太陽が照りつけようが関係ない。ひたすらいつ来るか分からないその時を待っている。

 だから、今回、我々記者が日本で目にしたのは地元で起こっていることの拡大バージョンだった。誰もが知っているように、タケはジャパンツアーの目玉であり、試合で、練習で、はたまたイベントで姿を現すたびに、熱烈な声援を浴びていた。

 逆に嬉しい驚きだったのはタケ以外の選手も大歓迎を受けていたことだ。アルカイツ・マリエスクレーナのようなトップチームでプレーしてからまだ日が浅い選手と一緒に写真に納まり感慨に浸っている男性ファンや、昨シーズンのサンセ(Bチーム)の2部昇格の立役者となり、ツアーに帯同していたカンテラーノ全員の名前を憶えている強者もいた。
 
 ソシエダの一行が長崎のホテルに到着した際、タケが押されたりつかまれたりせずにエントランスで待っていた姿を見た時も驚いた。おかげでタケは、急かされることも、重圧を感じることもなく全員と挨拶をかわした。

 もちろんスタジアムでも主役はタケだった。長崎のピーススタジアムでは名前が呼ばれるたびに、電光掲示板に姿を映し出されるたびに、国民的スターに観客は熱狂した。ボルテージが最高潮に達したのは、ハーフタイム明けから出場した時だった。

 チームに合流してからクールダウン程度の1度の練習を経ての試合だったためわずか27分の出場にとどまったものの、ボールに触るたびにスタジアムに大歓声が響き渡った。2試合ともソシエダは地元のチームと対戦したが、観客全員がタケのゴールを期待しているような雰囲気が醸成されていた。
 

次ページ日本滞在中、タケは通訳としても“活躍”した

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事