川崎にとって守備強化にアレルギー反応はなかったのか?ACLE準優勝への歩みで脇坂泰斗が感じたチームの変化

2025年08月03日 本田健介(サッカーダイジェスト)

サウジアラビアへの切符を掴む

川崎のキャプテンを担う脇坂。今季もチームを引っ張る。(C)Getty Images

 規模が数倍以上に膨れ上がったクラブワールドカップ。その世界大会へ通じるのがACLエリート(ACLE)だ。フォーマットが新しくなったその第1回大会で決勝進出を果たした川崎フロンターレの戦いぶりを改めて振り返るとともに、長谷部茂利新体制で戦う今季のチームの状況をキャプテンの脇坂泰斗に語ってもらう。
(第2回/全3回)

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 公式戦で4勝1分と好スタートを切った川崎だったが、4節の京都戦で今季初黒星(●0-1)を喫すると、8勝2敗(リーグステージ)で勝ち上がったACLEのラウンド16・第1戦、アウェーの上海申花戦も得点が認められないアクシデントもあり、オウンゴールで0-1の敗戦。ホームで迎える第2戦での逆転が求められた。

 脇坂の頭にはかつての悔しき記憶が蘇っていたという。
「第1戦での僕のゴールは今でもオフサイドでなかったと思っています。でも、シゲさん(長谷部茂利監督)はアウェーでの0-1の敗戦を『ビハインドの中では、最高のビハインドだ』って話してくれました。その後、ホームでの第2戦へ1週間の準備期間があったのですが、怖かったですね。チームも張り詰めて取り組んでいました。

 ここで勝つか負けるかで、(準々決勝以降は集中開催される)サウジへ行けるかどうかが決まる。なんだか前年の山東泰山戦の記憶がよぎり、嫌なイメージが沸いちゃったんです(前回大会の山東泰山とのラウンド16はアウェーの第1戦は3-2で勝利するも、ホームでの第2戦で2-4で敗れまさかの敗退に)。

 あの時もホームで25分までに2失点するなど入りが良くなかった。だから今回、試合が始まる前や、円陣などで『まずは1点を取ってスコアをタイにしよう』って強調していました。

 その分(24分の佐々木)旭のゴールで楽になり、それ以外でも相手に圧をかけながら攻めることができました。相手の10番(ジョアン・カルロス・)テイシェイラを警戒しながらオーガナイズして戦うこともできた。やりながら自信を得られましたし、(64分の)エリソンのゴールで突き放せた時はめちゃくちゃ嬉しかったですね(結果的に4-0で勝利)」

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