苦しい現状の打破へ、改めて問われるフィニッシュの質。ビルドアップの改善を結果につなげるために必要なキャプテンの復調【湘南】

2025年07月17日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「迫力を持って入っていけるように」

チーム浮上への鍵を握る鈴木章。ポストプレーなど起点としての仕事に追われ、本来の決定力を発揮できていない印象も...。写真:滝川敏之

 7月16日、湘南ベルマーレは天皇杯3回戦で清水エスパルスとレモンガススタジアム平塚で対戦。スコアレスで迎えた105+1分にCKからドウグラス・タンキのヘディング弾で失点し、これが決勝点となり、0-1で敗れた。

 リーグ戦では6試合、勝利から遠ざかっている湘南にとって、是が非でも白星を掴み、浮上への契機としたかった一戦。惜しくも一歩及ばなかったが、内容に目を向ければ、現状打破へ着実に歩みを進めているようにも見えた。

 清水戦では、最近のJリーグでの試合とは異なり、主導権を握ったうえで決定機に持ち込む形が多かった。システムは3-4-2-1。左右の幅を大きく使いながら、ウイングバックとシャドーの連係でサイドを突破したり、シャドーや1トップの背後を有効に使ったりと、バリエーション豊富な崩しで敵陣へ進入した。

 シーズン前半戦でビルドアップの鍵となったDF鈴木淳之介や、前線と中盤のつなぎ役を担ったFW福田翔生ら主力が今夏に海を渡ったなかで、ボールの運び方を選手の特長に合わせて早急に修正し、実践できていた点はポジティブに捉えられる。
 
 ただ、多くのチャンスを創出したなかで、ネットを揺らせなかったのは明確な課題だろう。フィニッシュの質次第で状況が変わりそうなだけに、シュートやクロス、ラストパスのクオリティは改善を急ぎたい。

 キーマンはFW鈴木章斗だ。昨季J1で10ゴールを挙げたエースは今季、2月の3節・浦和レッズ戦以来、ゴールから遠ざかっている。ポストプレーやプレスなどで存在感を放つ一方、攻守の起点としての仕事に忙殺されている印象もあるキャプテンは、改めてボックス内での仕事にこだわりたいと意気込む。

「今日はシュートを打ちきれないところにボールが来たり、収めきれなかったりした場面もありました。難しいボールが多く、止めることだけを意識していたので、収めてから余裕がなく、フィニッシュまで持ち込めない時が多い。練習からやっていくしかないなと。

 シュートのフィーリングが鈍っているわけではないですし、キャプテンの重圧を感じているわけでもないですが、練習でも流れの中でのゴールは減ってしまっています。個人として、どのようにフィニッシュまで持ち込むかというところを見直したい。あとは、やっぱり自分はペナ内に入っていくべき選手だと思うので、改めて、迫力を持って入っていけるように取り組みたいです」

 J1で17位に沈む湘南が残留争いを抜け出すためには、10番のゴールが不可欠だと言える。本来の武器である強烈なシュートを取り戻し、チームの希望の光となれるか。期待したい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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