【大宮】黒川淳史インタビュー|完全復活へ。大怪我に立ち向かうルーキーの胸中(前編)

2016年07月20日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

「回復具合は良いとトレーナーから言われている」

プロ入りすぐの長期離脱。最初はショックだったが、チームメイトの言葉に励まされ、前向きにアドバイスを受け止めた。写真提供:大宮アルディージャ

 好調のチームをピッチ外から眺めるしかない――。そんな悔しさを胸に、怪我からの復帰へ向けて必死にトレーニングを続けているのが黒川淳史だ。Jrユースから大宮に所属し、今季からトップチームにプロ選手として昇格。
 
 その後のキャンプ、そして山形とのプレシーズンマッチにも出場してインパクトを残した。だが……。FC東京との開幕戦でのベンチ入り、そして出場すら可能な位置にいた期待の新人を左膝前十字靭帯損傷という悪夢が襲った。
 
 それでも、絶望はしていない。「身体を鍛え直すチャンス」と捉え、日々を前向きに過ごす。徐々にプレー強度を上げ、少しずつJリーグデビューに近付いている現状を、才能豊かな若者はどう捉えているのか。その胸中を前編・後編に分けてお届けする。
 
――◆――◆――
 
――現在のコンディションは?
 
 順調ですね。前十字靭帯の手術をした人のなかでは、回復具合は良いとトレーナーから言われています。普通なら痛みがどこかしら出たりするみたいですけど、それもありません。完全復帰は今夏の終わり、9月くらいを予定しています。
 
――外での練習はいつ頃から開始したのでしょうか?
 
 4月の下旬、ゴールデンウィークあたりからです。それまでは、室内で筋トレをメインにしたリハビリをしていました。
 
――プロ入りして、いきなり長期離脱することに不安はなかったですか?
 
 大きな怪我は初だったので、最初はショックでした。ただ、チームメイトに「まだまだキャリアは続くんだから、ここで一回いろいろと見直すチャンスだと考えなきゃ。ポジティブに捉えないと」とアドバイスをもらいました。それを前向きに、すんなりと受け止められました。
 
――室内でのリハビリにはどんな心境で臨んでいましたか?
 
 吹っ切れていました。入院生活中のリハビリでは身体の基礎的な部分を見直せましたし、クラブのフィジオセラピストである堀田泰史さんの下で細かいところからやっていこうと。僕は怪我が多かったので、上に行くためにも、怪我に強い身体を一から作ろうという気持ちで臨めました。

次ページ「病院に1か月もいたから肌が白くなって、そればかり弄られた」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事